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大江戸死体考

大江戸死体考

人斬り浅右衛門の時代

氏家 幹人
シリーズ・巻次 平凡社新書  16
出版年月 1999/09
ISBN 9784582850161
Cコード・NDCコード 0221   NDC 210
判型・ページ数 新書   236ページ
在庫 現在品切中
定価748円(本体680円+税)

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この本の内容
目次
花のお江戸は屍あふれる町だった! 死体を使った刀剣試し斬り武芸者“人斬り浅右衛門”を軸に、水死体、生き胆、検死など、知られざる江戸のアンダーワールドを案内する。 花のお江戸には死体がゴロゴロ?水辺には土左衛門、道端には行き倒れ、“検死マニュアル”もすでにあった江戸時代。そして、死体を使った刀剣試し斬りを家業にし、“生きギモ”で富を築いた、浪人・山田浅右衛門――。コワくて不思議な世界がそこに見えてくる。史料はホラー小説よりも恐ろしい!知られざる江戸のアンダーワールドへご招待。
プロローグ――江戸のアンダーワールドへ、ようこそ
 
第一章 屍都周遊
 帝都の憂鬱/漂流死体は突き流せ/公方様も見て見ぬふり/妖しい屍/腐臭漂う井戸水
 「膝付首縊」/江戸の検死官/検使マニュアル/『無冤録述』を見るべし/心優しき検使たち
 なんでもありの情死コレクション/据物師山田浅右衛門/御様御用は晴れの舞台
 
第二章 様斬り(ためしぎり)
 股肉をそぎ取った忠義者/私、売ります/股肉切りのもう一つの意味/川路の外交手腕
 ポピュラーだった試し斬り/キリシタン受難/見学と実習/「ためし者場」利用規則
 路上や川原で死体捜し/感嘆と喝采/マニアックな殿様たち/若き日の黄門様
 変化する武士の気風/プロフェッショナルが登場/次第に高まる忌避の感情
 重罪への付加刑として/不足する死体/鴎外と浅右衛門の奇妙な縁

第三章 ヒトキリアサエモン
 幽霊屋敷/中川左平太と山野勘十郎/泣く子も黙る鵜飼十郎右衛門
 そして浅右衛門だけが残った/供養塔の建立/俳諧を学んだ理由/江戸の名物男
 客筋は最上級/穢れと誉れ/山田家はとても裕福だった/富をもたらしたもの
 なぜ浪人だったのか/「芸者」浅右衛門/クビキリかヒトキリか

第四章 胆(きも)を取る話
 臀肉切り取り事件/人間の脂肪を薬に?/キモを抜かれた少年/生ギモ信仰
 ある東洋史家の“誤解”/「ひえもんとり」/文明開化の決断/キモ蔵があった浅右衛門邸
 人胆売ります、「胴」も売ります/ジンタンかニンタンか
 明治以降も絶えなかったキモ信仰/山田家にたかる小役人たち
 上質のキモは健康な死体から/死体商売/小塚原に死体保管小屋を!
 
第五章 仕置人稼業――浅右衛門の弟子たち
 ひさしぶりの切腹/臨時雇用の介錯スタッフ/浅右衛門の弟子は何人いたか
 貴重な人材/川越藩据物師・長畑家の場合/親子で据物斬り/太平ボケ/かさむ出費
 組織の中で/土壇の土を江戸から運ぶ/浅右衛門のコネで就職活動/お仕置きアルバイト
 御家人斬九郎と首打人左源太/修行も兼ねたアルバイト/究極のプロ集団
 
エピローグ――もっと闇を!
 
あとがき
 
付録 山田浅右衛門の代々
主な参考文献と史料