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エアライン・クライシス

エアライン・クライシス

なぜ信じられない事故が起こるのか

杉浦 一機
シリーズ・巻次 平凡社新書  135
出版年月 2002/04
ISBN 9784582851359
Cコード・NDCコード 0265   NDC 687
判型・ページ数 新書   208ページ
在庫 現在品切中
定価770円(本体700円+税)

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この本の内容
目次
9.11同時多発テロは航空界にも衝撃を与えた。なぜ簡単にハイジャックが成功したのか? なぜ信じられない事故が起こるのか? 航空文明の曲がり角を徹底検証する。 同時多発テロは、航空界にも深刻な影響を与えた。航空企業は経営危機に陥り、安全性への信頼は地に墜ちた。
しかし、エアラインの病理はすでに長期的に進行していた。効率最優先で後回しにされる安全性への配慮、便数の爆発的増加に追いつかない設備と管制……。
いまや航空そのもののあり方を問い直すときがきているのだ。信じられない事故・事件の背景にはいったい何が?航空文明の曲がり角を徹底検証する。
まえがき

第1章 クライシスの始まり
  覆されたこれまでの前提/新型ハイジャックの登場/浮かび上がったお粗末な空港警備
  テロはエアライン経営も直撃/自由化で激変していた経営環境/一気に吹き出した問題点

第2章 信じられない事故が起きている
  コンピュータが飛行機を墜落させる/風が飛行機を墜落させる/鳥が飛行機を墜落させた
  ミサイルで撃ち落とされた旅客機/信じられないパイロットたちの行動
  燃料切れでの墜落/自ら飛行機を墜落させた操縦士
  空中衝突は澄みわたった晴天に起こる/滑走路の取り違えが頻発している
  「滑走路への誤進入」による衝突事故/予測できた大惨事
  考えられない原因で発生した事故

第3章 日本の空が危ない
  「間一髪」のニアミスが頻発する/機械よりも「人間の勘」が優先される日本の空
  日本でも結構起きているハイジャック/乱気流の揺れでケガが多発
  ばかばかしい緊急脱出によるケガ/パイロットの腕前が落ちている
  海外への委託整備の危険な落とし穴/横田の専用空域のために狭められる航空路

第4章 危ないエアラインが飛んでいる
  利益優先で事故を起こしたエアライン/懲りないエアライン/安全なエアラインはどこか
  隠れた危険を見抜く/機内暴力・迷惑行為は悪質化/以外に安い空の事故補償
  責任が曖昧な共同運行便/過剰予約での搭乗拒否が増える?
  危険を知らずに指名される介助要員/米国で重視され始めた職場環境
  格安なのに安全なエアラインもある

第5章 危険な空港はどこだ
  危険な空港、評判のよくない空港/離陸直後、着陸直前に集中度が高い事故
  パンクしている欧米の空港/滑走路での衝突の危険が高い米国
  おざなりな米国の空港の警備/バラつきが大きい米国の検査係

第6章 こんな機種には気をつけよう
  旧世代機には事故が多い/尾翼に深刻な問題を抱えるB737/過敏すぎるMD?11機
  燃料タンクがアキレス腱のボーイング機/メーカーの都合で緩和されるルール
  国内でもあるエコノミークラス症候群/携帯用電子機器の取り扱いには注意

第7章 安全性と信頼を取り戻すために
  抜本的改革が必要な安全性/効率主義を再考しよう/新しい航空文明の確立を
  将来型航法システムが実用間近/開発の進む自動着陸装置/改革の進む日本の管制
  バイオメトリクスの導入

あとがき

おもな参考文献