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謎とき 名作童謡の誕生

謎とき 名作童謡の誕生

上田信道
シリーズ・巻次 平凡社新書  165
出版年月 2002/12
ISBN 9784582851656
Cコード・NDCコード 0283   NDC 767.7
判型・ページ数 新書   232ページ
在庫 現在品切中
定価814円(本体740円+税)

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この本の内容
目次
「夕焼小焼」の“小焼”ってなーに?──ソボクな疑問から作詞・作曲者の人生ドラマ、そして時代背景まで。「故郷」「赤い靴」など日本の名作童謡誕生の秘密に迫る! 「夕焼小焼」の“小焼”ってなに?
誰でも知ってる名作童謡、
でも歌詞の意味とかいつ作られたとか、
意外と知られていないのでは?
コトバの謎解き、作者たちの人生ドラマ、
そして童謡を生んだ時代背景……。
謎がとければいっそう深まる童謡の味わい!
知っていそうで知らない名作童謡の世界にご案内。
はじめに──童謡はどのようにして生まれ育ったか
  音楽は取り調べの対象だった/トーフの始めは豆である!?/『赤い鳥』が口火を切った
  童謡ブームの底流

“鳩ぽっぽ、鳩ぽっぽ……” 「鳩ぽっぽ」(一九〇一)
  盗作だった文部省唱歌/どこか冷たい、何かが違う/「むすんでひらいて」にみる唱歌のルーツ
  軍歌になった唱歌/わかりやすい話しことばの唄/鳩「ぽっぽ」の謎/世の中そんな、甘くない
  それぞれの人生

“うさぎ追いしかの山……” 「故郷」(一九一四)
  ウサギはおいしいか?/唱歌の生命力の謎/少年の夢は立身出世だった/北信濃の原風景
  実力はあっても、学歴がない/こころざしをはたして……/賛美歌のメロディー
  もうひとつの故郷/それぞれの思いを背負いながら

“唄を忘れたカナリアは……” 「かなりや」(一九一八/一九)
  最初に歌われた童謡/童謡の歌声はレコードにのって/八十、兄殺しを決意する
  眼のするどい、口ひげの紳士/唄を忘れた詩人の願い/誕生秘話の謎
  動物愛護の童謡/対立が生んだ新しい童謡

“夕焼、小焼の、あかとんぼ……” 「赤とんぼ」(一九二一/二七)
  赤とんぼの母、ここに眠る/「姐や」の謎/修道院で思い浮かべたこと/郷愁を超えて
  もうひとつの母への思い/赤とんぼの羽をとるアクセント/ピケ隊の大合唱

“赤い靴、はいてた、女の子……” 「赤い靴」(一九二一)
  港町ヨコハマのシンボル/この唄が名作であるわけ/赤い靴の女の子はさらわれる!?
  ある少女のかなしい物語/それでも謎は残る/未知なる者への恐れとあこがれ
  日本人の心に響くメロディー/人さらいの唄との関係/「赤い靴」の女の子はやっぱり異国へ行った

“海は荒海、向うは佐渡よ……” 「砂山」(一九二二)
  ふたつのメロディーの謎/ジャイアント馬場は「砂山」がお好き/子どもたちとの約束で
  寄居浜の風景/童謡ブームの立役者/子どもの発想/新潟の風土と心を歌う

“夕焼小焼で、日が暮れて……” 「夕焼小焼」(一九二三)
  「小焼」の謎/夕焼け空の赤マント/焼け残った楽譜集/夕焼小焼で、日が暮れない!?
  信州・長野で鐘が鳴る/カラスといっしょに、帰りましょう

“真白き富士の根、緑の江の島……” 「七里ヶ浜の哀歌」(一九一〇)
  唄が有名にした水難事故/根は深し、七里ヶ浜/蛮食会の鳥撃ち/運命のいたずら
  哀歌は替え歌だった!?/謎の作曲者ガードン/『稲村ジェーン』の舞台で

“月の沙漠を、はるばると……” 「月の沙漠」(一九二三)
  月のサバクの砂嵐/外房総のラクダ/療養のため御宿へ/モデルの地の謎
  音楽講習会を通して/えっ、「月の沙漠」が演歌だって!?

“きんらんどんすの、帯しめながら……” 「花嫁人形」(一九二四/二五)
  幸せ薄い母の面影/花嫁人形の謎/「きれる」と「ぬれる」の謎
  苦難を乗り越え、人気画家になる/念願かなって花の都パリへ
  出版社の社長をぶん殴る/永遠の少女を追い求めて

あとがき

名作童謡関連年表