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ニッポン不公正社会

ニッポン不公正社会

斎藤貴男
林信吾
シリーズ・巻次 平凡社新書  312
出版年月 2006/03
ISBN 9784582853124
Cコード・NDCコード 0230   NDC 300
判型・ページ数 新書   224ページ
在庫 現在品切中
定価814円(本体740円+税)

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この本の内容
目次
不平等はまだ仕方ない。しかし今の日本は格差を固定する「不公正社会」にされようとしている! 世間にはびこるイカサマな構造を徹底的に告発する、渾身の対談本。 結果の不平等、格差ならまだ仕方がない。
しかし、いまの日本社会は、自由競争の名のもとに、
世代を超えて格差が温存される
“不公正社会”にされようとしている!
『機会不平等』『しのびよるネオ階級社会』などで
日本の格差拡大に警鐘を鳴らし続ける二人が、
そのイカサマな構造にするどくメスを入れる!
勝ち組・負け組みをはなから決めつけるのは誰か?
格差拡大のペテンを衝く渾身の対談!
はじめに(斎藤貴男)

第1章 機会不平等からネオ階級社会へ
規制緩和から格差社会へ/教育の規制緩和/池袋と板橋/エリート意識の本音
王様の優しさ/学歴社会から階級社会へ/企業社会と親のコネ
学歴社会はまだしも平等/階級社会とネオ階級社会/規制緩和は八百長でイカサマ
建前を捨ててはいけない

第2章 いま、仕事はどうなっているのか
なぜ作家か、ジャーナリストか/肉体労働のほうが尊いと思っていた
何が起こっているのか見えにくい時期/人に使われる自分がイメージできない
企業社会へのノスタルジー/フリーター時代/日本の中でも立場は全然違う
斎藤貴男がジャーナリストを名乗るわけ/林信吾が作家を名乗るわけ
フリーで食えるか、食えないか/作家になる三つの条件
フリーターとフリーランスの違いは

第3章 若者が不気味だ!?
自民圧勝をどう受けとめるか/対米従属を本質とするナショナリズム
「ああでもない、こうでもない」がよい/なぜ団塊世代が嫌いか
権力は援助交際を必要とする/封建時代への回帰
戦後初めて戦死や飢え死にに直面する世代

第4章 英吉利見聞録
なぜ斎藤貴男はイギリス本を書かないか/階級社会体験/人種差別体験
階級社会の乗り物事情/英米関係の不思議/保守党の衰退、労働党の転身
権力はテロも利用する/競争社会か、階級社会か
日本の二世政治は根が深い/不平等なだけでなく不公正な社会

第5章 プロたちに明日はない
プロがプロの資格を持っていない/忠誠競争がもう始まっている
古い保守も滅びつつある/新憲法草案報道の嘘
「新しいタイプの憲法」とは/すべてがサラリーマンになぞらえられる社会
マスコミはバカや貧乏人を採用すべし/選挙ワイドショーを禁止せよ
一目でだめだとわかる連中なのに……

第6章 「空気」のファシズム
「空気」なんてあるのか、日本だけのものか/全体主義としての新自由主義
コミュニケーションを拒絶する言葉/前提を共有できない時代
ファシズムという言葉/結論を与えてもらいたがる人びと
考えることが軽視される時代/言葉の力、論理の力/棄民にされる人びと

おわりに(林信吾)