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東京名画座グラフィティ

東京名画座グラフィティ

田沢竜次
シリーズ・巻次 平凡社新書  340
出版年月 2006/09
ISBN 9784582853407
Cコード・NDCコード 0274   NDC 778
判型・ページ数 新書   200ページ
在庫 現在品切中
定価792円(本体720円+税)

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この本の内容
目次
1960年代末から70年代、名画座は特別な場所であり、埋もれた名画の発掘、オールナイト等、熱気にあふれていた。名画座に通いつめた著者が、あの頃の映画と映画館を活き活きと描く。 名画座とは、独特のカラーを持った三番館。
埋もれた名作の公開、オールナイト上映、
監督、俳優を招いてのイベント、館独自の解説付き番組案内など、
観客と映画館の熱い交流があった。
渋谷全線座、新宿ロマン劇場、新宿昭和館、文芸坐、銀座並木座など、
60年代、70年代の東京には一癖ある映画館が揃っていた。
名画座に通いつめた著者が、映画館とそこで観た映画を活写し、
街歩きの愉しみを甦らせる。
序章 名画座の愉しみ
映画は映画館で/名画座とは/街の風景を味わう愉しみ/映画館情報の入手法
レンタルビデオの普及と名画座の高料金化/シネコンの時代へ
「オールウェイズ・ブーム」は懐かしい?/「名画座世代」と「団塊の世代」の関係

第一章 渋谷──百円玉を握りしめて名画座へ
特別な街・渋谷/四つの映画館が入った東急文化会館
『史上最大の作戦』を渋谷松竹で/『キングコング対ゴジラ』は渋谷東宝で
百軒店の風景/東急名画座と渋谷全線座/観づらい映画館・渋谷文化
恵比寿の知られざる名画座/八〇年代以降の変貌

コラム1 プログラムは必需品

第二章 池袋──文芸坐オールナイトの夜は更けて
ユニークな映画館が消えていく/名画座の代表・文芸坐/画期的なリクエスト映画祭
映画の前に「スナックランド」/人生坐が文芸坐のルーツ
オールナイトで日活ニューアクションを/渡哲也全作品上映の熱気
オールナイト興行で中川信夫監督が舞台あいさつ/ゴジラブームの先駆け
スーパーSF日本特撮映画大会/文芸坐のリニューアル

コラム2 映画館で何を食べるか

第三章 新宿──アートが集い、街がシアターに
血が騒ぐ街・新宿/新宿東宝と新宿日活/洋画のミラノ座、新宿ピカデリー
アートシアター新宿文化/名画座としてのテアトル新宿/西口の横丁で映画談義
やくざ映画の新宿昭和館/映画館にはアンパン/締めは新宿ローヤル

コラム3 二番館とは

第四章 銀座・日比谷──ロードショウか名画座か
一九七〇年正月の映画番組表/テアトル東京と有楽座──シネラマと70ミリ
日比谷映画とみゆき座──男性向けと女性向け
『ウエスト・サイド物語』『ワイルドバンチ』/銀座の名画座・銀座並木座
今はなき日劇で怪獣映画を/アートシアター日劇文化
丸の内東映パラスで『悪魔のいけにえ』を
アメリカン・ニューシネマとラーメンの「中本」/一本立ての銀座文化
三原橋のシネパトス

コラム4 私の愛する映画雑誌

第五章 あの街にもこの街にも映画館があった
浅草──六区の面影/錦糸町──江東楽天地の三本立て館
飯田橋──学生街の名画座・佳作座、ギンレイホール
早稲田・高田馬場・大塚──早稲田松竹から鈴本キネマまで
新橋──ガード下の映画館/千葉・本八幡・小岩・亀戸──総武線の個性派館
中野~立川──三鷹オスカー、中野武蔵野ホールなど
自由が丘・三軒茶屋──武蔵野推理館、三軒茶屋中央、三軒茶屋シネマ
大井町~川崎──京浜東北線に味わい深い名画座が

コラム5 自主上映会の隆盛

第六章 名画座支配人・石井保氏は語る──聞き手・田沢竜次
映画に魅せられた大学時代/新宿ロマン劇場で市川雷蔵オールナイトを企画
自由が丘武蔵野推理劇場を任される/中野武蔵野ホールでやくざ映画を特集する
名画座人生を振り返る

コラム6 極私的名画祭

あとがき