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「論語」に帰ろう

「論語」に帰ろう

守屋淳
シリーズ・巻次 平凡社新書  489
出版年月 2009/10
ISBN 9784582854893
Cコード・NDCコード 0210   NDC 123.83
判型・ページ数 新書   240ページ
在庫 現在品切中
定価770円(本体700円+税)

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この本の内容
目次
世の中の規範が崩れている今こそ、日本人の常識の源、『論語』は必読の書。気鋭の中国古典研究家が、不滅の古典を〈仁〉〈知〉〈天命〉の3つのポイントに整理して、わかりやすく紹介する。 孔子が生きていたのは、今から2500年も昔のこと。そして、日本に『論語』が伝わったのは、今から1500年も前のこと。人類が残した古典のなかでも、これほど長く読まれている古典は、そうはない。しかも、日本人の生活や、心のありかたにまで、『論語』は深くその影響を与えている。
たとえば、生活に窮しても不義は行わないことを示した言葉「武士は食わねど高楊枝」というのはよく知られているが、その反対に、どんなに位の高い殿様でも、江戸時代の武士は質素な暮らしをしていた。これが、お金にきれいな人を尊ぶ空気を今に伝えているのだという。こうした、いまに続く「日本人の品性」の源になっているのが、『論語』なのである。
 しかし『論語』がわかりにくいし、読みにくい本というのは、一度手にしたことのある人ならよくわかることだろう。
 本書、『「論語」に帰ろう』は、ほんの少し孔子の考えを整理してみれば、ぐっとわかりやすくなるし、楽しめるようになる、そう問いかける。気鋭の中国古典研究家、守屋淳の語りかけるような文章によって、『論語』のエッセンスがどんどん頭に入ってくる。そして、孔子の言葉が、心に沁みる。
 規範のくずれた現代だからこそ、今一度、『論語』に帰る!
プロローグ──日本人を育んだ『論語』
日本人の常識は『論語』にあり
なぜ武士は貧乏だったのか──品性の由来
現代を生きるための『論語』

第一章 〈仁〉と〈恕〉──世界に、未来に愛を広める
孔子の考え方、孫子の考え方
「仁」は愛の思想
愛は、国境と時代を超える
民主主義の落とし穴
世代間の仁は「育て/育てられ」
恕──して欲しくないことは、しない
“相手基準”で考えられるか──仁について
「仁」の限界
「義」によって補う
大切なのは、誰にとっての「義」か
◆コラム(1)『論語』を書いたのは誰?

第二章 〈知〉と〈勇〉──人の上に立つ人間に欠かせない徳
リーダーの「徳」とは
孔子の唱える徳──知・仁・勇
知を極めると“限界”が見える
知性のあり方──西欧型と孔子型
「知らない」のは努力が足りないから!?
「勇」とは計算された実行力
凡人が生き残るための「勇」
「信」なくんば立たず
人柄と品性を磨く「学問」
徳がなくてもリーダーになれるか?
「威」を持って振る舞う
◆コラム(2)「孔子の教え」は宗教か?

第三章 〈天命〉──自分の人生を見出し、生きる
孔子は人生を語らない
孔子の人間観
〈性=らしさ〉はそれぞれに
志と野望の違い
「自分らしさ」を見極める
「天命」を知る
“楽しむ”境地
人生、あせらずに……
生きることの醍醐味とは
生き方の見事さと徳目
◆コラム(3)孔子の弟子たち

第四章 孔子の生涯
三十九歳までは迷いっぱなし……
殷の末裔にして、周の素晴らしさを知る
孔子の学び方
老子とは会えたのか
まずは他人を認める
孔子の転機
声望を上げる
孔子の驕り
登用を求めた旅
為政者は“結果”を出せ
晩年の孔子
他の四大聖人と比べてみると
◆コラム(4)孔子はどんな人柄だったのか

第五章 『論語』が世界に与えた影響
日本では、どんなふうに受け入れられたのか
最初、熱狂的だった欧米、その後は?
最も影響を受けた東アジアの現在
なぜ、『論語』には注釈が多くなったのか