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山の遭難

山の遭難

あなたの山登りは大丈夫か

羽根田 治
シリーズ・巻次 平凡社新書  506
出版年月 2010/01
ISBN 9784582855067
Cコード・NDCコード 0275   NDC 786.18
判型・ページ数 新書   256ページ
在庫 現在品切中
定価836円(本体760円+税)

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この本の内容
目次
山で逝ってはいけない! 登山ブームの中、年々増加する遭難事故。その背後には、登山者気質の変化など、さまざまな要因が潜む。ニュースでは報じられない山の遭難の真実を語る。 ひんぱんに報じられる山の遭難事故。
厳冬期の北アルプスだろうと、ハイキングで行く山だろうと、
遭難事故は、いつ、誰に起きても不思議ではない。
「自分だけは大丈夫」「私は危険な山には行かない」――
そんなふうに考えているとしたら、
あなたも“遭難者予備軍”だ。
“明日はわが身”にならないために、
今こそ、「山でのリスクマネジメント」を考える。
はじめに…………7

第1章 山の遭難小史…………15
近代登山の幕開け/大正~昭和初期の遭難事故/加藤文太郎の死/『風雪のビバーク』/
ナイロンザイル事件/“魔の山”谷川岳/六〇年代の遭難事故/野生動物の襲撃による遭難/引率者の責任が問われた二つの事故/中高年登山ブーム/立山の中高年大量遭難事故/九〇年代以降の遭難事故

第2章 統計が語る現代の遭難事情…………63
遭難事故の今を表す警察庁の統計資料/登山人口は全国ウン百万人/
中高年の遭難事故が増えたワケは?/五五歳以上は要注意/遭難事故を要因別に見る/「滑って」「落ちて」は自然の摂理/ただの転倒が山では大事故に/人はなぜ引き返せないのか/道迷い遭難の最悪のエンディング/山でぽっくり逝かないために/
事故の起きやすい季節・時間帯は/ひとりで登るか、仲間と登るか。それが問題だ/
分裂するパーティ

第3章 救助活動の現場から…………111
かつて遭難救助の主役は民間人だった/今日の救助を担う警察の山岳救助隊/
遭難者を背負って下ろしていた時代/山にヘリコプターが飛びはじめたころ/
ヘリコプターレスキューのパイオニア/ヘリコプターは決して万全ではない/
警察と消防の連携は?/救助活動はこのように行なわれる/行き先不明の遭難者/
登山計画書はほんとうに必要なのか

第4章 遭難事故のリアリティ…………153
遭難したときに人はどうなる?/セルフレスキューとチームレスキュー/
携帯電話も通じなければ意味がない/「助けて」とはっきり伝える/
ヘリコプターからあなたは見えない/人は山のなかで何日間生きられるのか?/
死ぬも生きるも運次第?/山で死ぬのは本望か

第5章 なぜ増える安易な救助要請…………187
変わる登山者気質/「登山は自己責任で」が原則/遭難救助は蕎麦屋の出前じゃない/
安易か否か? 非難を浴びた救助要請/「救助はタダでお願いします」/
行政ヘリも有料化へ?/なぜ山岳保険に入らないのか/
慎重すぎる対応が登山者を増長させる?/それでも安易に救助を要請できるのか

第6章 ツアー登山とガイド登山…………223
なぜ中高年登山者はツアー登山に飛びついたのか/問われるツアー登山のあり方/
ガイドラインは守られているのか?/優先させるべきは計画か安全か/山岳ガイドの歴史/
ガイド登山とツアー登山の違いは/ガイド登山でも事故は起きる/
ツアー登山やガイド登山も自己責任か/問われる「責任のありよう」

あとがき…………252

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