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「星の王子さま」物語

「星の王子さま」物語

稲垣 直樹
シリーズ・巻次 平凡社新書  584
出版年月 2011/05
ISBN 9784582855845
Cコード・NDCコード 0298   NDC 950.258
判型・ページ数 新書   272ページ
在庫 現在品切中
定価924円(本体840円+税)

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この本の内容
目次
世界中で最も有名な物語。従来の伝記的事実を洗い直し、最新の資料・研究をもとに新たな解釈を提示。一人ひとりの心にある物語が、もっと豊かになる。 誰もが知る、世界で最も有名な物語――。
従来の伝記的事実を丁寧に洗い直し、
最新の資料・研究をもとに新たな解釈を提示。
作品の物語世界と作者の実人生とが偶然にも重なり合い、
その最晩年に美しく見事に結晶する様を描く。
世界各国、子どもから大人まで――
あらゆる人々を魅了し続ける物語の不思議とは?
はじめに

第一章 王子さまの物語はこうして書かれた
物語が書かれた白い家/ベヴィン・ハウスでの仕事ぶり
王子さまという人物の着想/どのようにして書かれたか
六歳のころ何が起こったか

第二章 「近代社会」を生きる苦悩
二十世紀とともに生まれ、生きる/「近代」における貴族
貴族の子に生まれて/「近代的時間」に抗して
失われた黄金時代──「五歳か六歳のころ」の思い出
社会への不適応/一年半の砂漠体験──耳の長いキツネ
「子ども」という理念型──子どもの本か、おとなの本か

第三章 『星の王子さま』を準備したもの
初めての小説『飛行機乗り』、初めての出版『南方郵便機』
『南方郵便機』の隠れたプロット構成/空の乗り物、地上の乗り物
『夜間飛行』──〈空の世界〉の優位
飛行機の不時着──もう一つの砂漠体験

第四章 文体とナレーションの技法
複合過去という時制の役割/複合過去使用の具体例
話者と読者の共感の醸成

第五章 ストーリー構成から見た諸作品との関連
直線的時間の否定と映画の技法/ルポルタージュを超えるもの
時間概念の革新、そして円環の時間/ストーリー構成の逆説
同時期執筆の『城砦』/『星の王子さま』の時間性と話者のモノローグ

第六章 「大切なものは目には見えない」の深い意味
作品のキーセンテンス/〈物質世界〉重視の理念的背景
情報社会、ヴァーチャル世界と『星の王子さま』

第七章 わがままなバラの花の物語
「失う」ことにこそ意味がある/「なじみになったものに対して責任がある」
バラの花とは何か/たった一輪のバラの花
バラの花の登場、虚々実々の馴初めのエピソード
棘のあるバラ/別離と再会

第八章 反映される同時代の政治状況
レオン・ヴェルトへの献辞/レオン・ヴェルトの友情
『ある人質への手紙』/「四千万人の人質」に贈る本

第九章 『星の王子さま』神話の成立
王子さまの星とは何か/王子さまとは誰か
王子さまの役割/心で見るトレーニング
作品のエンディング/挿絵と文章の絶妙なコンビネーション
無限螺旋としての物語

第十章 サン=テグジュペリ神話の成立
偵察飛行部隊への復帰/「もし、撃墜されても」
行方は杳として/死後のサン=テグジュペリ/搭乗機発見

第十一章 日本へのインパクト──宮崎駿を中心として
『星の王子さま』世代の形成/「星」のイメージの影響力
宮崎駿のサン=テグジュペリ体験/『星の王子さま』と『天空の城ラピュタ』
バオバブの残像

あとがき
主要参考文献

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