日本でいちばん平凡な名前の出版社
犬の伊勢参り

犬の伊勢参り

「新書大賞2014」第2位受賞! 事実は小説より奇なり。ヒトとイヌの不思議な物語の謎を探る。

仁科邦男
シリーズ・巻次 平凡社新書  675
出版年月 2013/03
ISBN 9784582856750
Cコード・NDCコード 0239   NDC 380
判型・ページ数 新書   256ページ
在庫 在庫あり
定価880円(本体800円+税)

この本に対するお問い合わせ・感想

この本の内容
目次

明和8年、犬が突然、単独で伊勢参りを始めた。以来、およそ100年にわたって伊勢参りをする犬がしばしば現れた。本当にあったヒトと犬の不思議な物語の謎を明らかにする。 明和八年四月、犬が突如、単独で伊勢参りを始めた。
以来、約百年にわたって、伊勢参りする犬の目撃談が
数多く残されている。
犬はなぜ伊勢参りを始めたのか。
どのようにしてお参りし、国元へ帰ったのか?
そしてなぜ明治になって、伊勢にむかうことをやめたのか?
事実は小説より奇なり!
ヒトとイヌの不思議な物語の謎を探る。

はじめに
序章 犬が拝礼した
松尾芭蕉の伊勢参宮/「僧尼」と「犬」、ふたつの禁忌/庶民にとっての伊勢参り
「まことに拝礼の状をなせり」

第一章 「虚説」か「実説か」──明和八年、御蔭参り
牛馬犬まで参宮──虚説区々なり/牛は牛連れ、犬は犬連れ、猫は参らず
抜け参りから帰った人たちによる噂/空から神宮のお祓
「伊勢参りの犬は吠えられない」という神話/痛烈な抜け参り批判の書/大神宮の神徳か
「犬なども人にツレ参り」

第二章 単独で伊勢参宮
自分の代わりに伊勢参り/参宮犬と旅をした大名/福島・須賀川のシロ
飼主の知らない間に伊勢参り/長州藩の犬、母子で伊勢参り

第三章 文政十三年の御蔭参りと「不思議」の正体
徳島から来た「おさん」/古市の歓楽街で犬の世話/「諸国より犬参る」
本居宣長、大平、内遠、三代の記録/御蔭参りの人数/宮川の渡し/お祓、天から降り続ける
山師の手口がわかった/平賀源内がお祓をまいた?

第四章 神宮と犬、千年の葛藤
天皇、犬の穢れに病む/六畜の穢と伊勢神宮/犬産穢で延期された神事
相次ぐ犬の死穢、産穢/宿直に行けない神主/式年遷宮と元禄の犬狩り
生類憐みと「犬の儀」

第五章 ぞくぞく犬の伊勢参り
天保の目撃談/銭を奪われた犬/司馬遼太郎『街道をゆく』の妄想
「不思議」を伝える御師たち

第六章 豚と牛の伊勢参り
豚の送り状/広島から鳥羽への旅/広島城下には犬のように豚がいる/何のための豚放し飼い
白牛の伊勢参り/近江と大和の牛は牛連れ/三浦梅園が見た現実

第七章 長旅をする犬たち
赤城の犬、行方不明になる/日本における犬の長距離単独旅行記録
「伊勢参りするのは白犬」という噂/信州から金比羅参り、伊勢参り
伊勢参りに触発された犬の金毘羅参り/日吉丸、参宮犬の銭を拝借する
生後三カ月で伊勢参りへ/江戸時代の犬の生活/西洋人から見た日本の村犬、町犬
江戸の八、伊勢へ行く

終章 犬たちの文明開化
「シロ、伊勢に行って来い」/犬にも文明開化がやってきた/最後の犬の伊勢参り

あとがき

関連書籍

愛犬の日本史

愛犬の日本史

戦国以降の、犬の面白い史実や伝承を紹介