日本でいちばん平凡な名前の出版社
イスラーム化する世界

イスラーム化する世界

グローバリゼーション時代の宗教

大川 玲子
シリーズ・巻次 平凡社新書  682
出版年月 2013/05
ISBN 9784582856828
Cコード・NDCコード 0214   NDC 167
判型・ページ数 新書   208ページ
在庫 在庫あり
この本の内容
目次

コーランの新解釈から、ジェンダー、人種問題、宗教間対話など、世界共通の問題に立ち向かうムスリムのリーダーたち。国境を越えて人々をグローバルにつなげる彼らの活動に迫る。 パレスチナ・イスラエル紛争から9・11まで、連綿と続く暴力の歴史がもたらしたのは
「狂信的なテロリスト集団」など、理解を拒む宗教としてのイメージであった。しかしいま、コーランの新解釈から世界規模で新たな対話を求める動きが活発化しつつある。
これまでの宗教観を刷新し、同時代を生きるイスラームを知るための入門書。

序章──グローバリゼーションのなかのイスラーム
イスラームの内側からグローバリゼーションを問い直す
「分かりにくい」イスラームを超えて

I イスラームとコーラン(クルアーン)
1 クルアーン成立の背景
アッラーと預言者ムハンマド/クルアーンの誕生
2 聖典解釈の歴史──伝承主義から近代的解釈へ
近代以前の伝承中心の解釈/近代以降の解釈の多様化/クルアーン諸学

II アメリカ人「フェミニスト」の模索──アミナ・ワドゥード
1 アフリカ系アメリカ人としての差別と改宗
アメリカの黒人差別/ワドゥードの半生
2 男女平等の視点によるクルアーン解釈
伝統的解釈方法論の否定/男性中心・アラブ中心主義への批判
ラフマーンの「二重運動」理論/「個人見解」の導入/対等な男女関係の構築を求めて
人類共通の源としてのナフス(魂)/人間の価値基準としてのタクワー(畏れ)
タクワーと平等/「クルアーン的ユートピア」実現のために
現代的諸問題の検討──「一夫多妻制」と「男性の権威」
ワドゥード解釈の意義と限界

III アパルトヘイト解決への道──ファリド・イサク
1 南アフリカの人種差別とイスラーム
「アパルトヘイトと貧困の犠牲者」/「解放の神学」へ
2 「他者」(キリスト教徒)との共存をクルアーンに読む
伝統を踏まえ新しい解釈学へ/「クフル(不信仰)」の再解釈をめぐって
他宗教徒との親和的連帯のために/タクワーと人類への責任

IV イスラーム主義への回帰──ビラール・フィリップス
1 カリブ海からカナダ、そして中東へ
改宗者の行方/イスラーム主義説教師への道
2 伝統主義的なクルアーン解釈の継承
逐語解釈への回帰/伝統の覆いに隠された革新
タウバ(悔い改め)の条件/タクワーと人種問題

V 西洋社会との協調──フェトフッラー・ギュレン
1 トルコが生んだ世界的市民運動家
理念とその半生/世俗主義と宗教の狭間で
2 自己を律し、他宗教との対話を追求するクルアーン解釈
クルアーンの内的意味の追求/心の病と不信仰をめぐって
人生哲学/タクワー解釈──いかに生きるか
啓典の民──ユダヤ教徒やキリスト教徒との架け橋

おわりに──クルアーン解釈の今
イスラーム社会における限界──アブー・ザイド亡命事件
マイノリティ・ムスリムの貢献

あとがき
関連年表/参考文献/人名索引

関連書籍

チャムパ王国とイスラーム

チャムパ王国とイスラーム

埋もれた東南アジア史の知られざる物語

「個人主義」大国イラン

「個人主義」大国イラン

組織よりも個人の国に必要な濃密な人間関係

  • 今日の平凡社
  • カスタム出版
  • 入れサービス