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経済学からなにを学ぶか

経済学からなにを学ぶか

その500年の歩み

現代の経済学の特質をより深く理解し、その直面する問題や発展の方向を深く考える得るために、経済学500年の歴史から学ぶ。

伊藤 誠
シリーズ・巻次 平凡社新書  768
出版年月 2015/03
ISBN 9784582857689
Cコード・NDCコード 0233   NDC 333.6
判型・ページ数 新書   272ページ
在庫 在庫あり
定価968円(本体880円+税)

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この本の内容
目次

なぜ、歴史を学ぶのか。それは、現代を理解し、未来を考えるきっかけとしたいからである。経済学を学ぶのも、現代の経済社会の特性をより深く理解し、その直面する課題を考える手がかりを得たいからである。世界的に深まる金融危機、国家財政危機、格差の再拡大などが叫ばれるいまだからこそ、各学派が唱えてきた政策やその限界を学びつつ、現代の経済社会のあり方と行方を考察する。

《目次》
いま、なぜ経済学を学ぶのか
第Ⅰ章 国富の増大をめざした重商主義
1 資本主義発生期の支配的学説
2 取引差額主義から貿易差額主義へ
3 J・スチュアートによる総括
第Ⅱ章 自由放任への重農学派
1 重農主義とその背景
2 ケネーの経済学
3 チュルゴーによる拡充
4 重農学派の意義と限界
第Ⅲ章 労働価値説にもとづく古典派経済学
1 古典派経済学の形成
2 アダム・スミスの体系
(1)分業論 (2)複合的労働価値説 (3)資本の蓄積と成長
3 リカードの経済学
(1)労働価値説の純化 (2)地代論 (3)資本の蓄積と人口法則 (4)比較生産費説
4 古典派経済学の限界と動揺
(1)自然主義 (2)労働価値説の難問 (3)全般的過剰生産の否定
第Ⅳ章 歴史学派と制度派経済学の発展
1 F・リストと旧歴史学派
2 新歴史学派の問題意識
3 制度派経済学
4 経済人類学と進化経済学
第Ⅴ章 新古典派経済学の方法論的個人主義
1 新古典派経済学とはなにか
2 限界革命とミクロ価格理論
(1)オーストリア学派(限界効用学派) (2)ローザンヌ学派(一般均衡学派)
(3)ケンブリッジ学派(狭義の新古典派)
3 ケインズ革命とマクロ経済学
4 新古典派経済学の危機と限界
第Ⅵ章 社会科学としてのマルクス経済学
1 マルクス経済学の思想と理論
2 資本主義経済の原理
(1)『資本論』の労働価値説 (2)剰余価値論 (3)生産価格の理論 (4)恐慌論
3 資本主義の発展・変化とマルクス経済学
(1)修正主義論争から帝国主義論へ (2)社会主義に対抗する資本主義へ
(3)戦後資本主義の高成長をどうみるか
4 マルクス経済学のルネッサンス
(1)労働価値説と転形問題論争 (2)恐慌論とその適用
(3)新自由主義をこえて、二一世紀型の社会と経済を考える
あとがき
参考文献

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