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忘れられた島々 「南洋群島」の現代史

忘れられた島々 「南洋群島」の現代史

南進論の系譜から、日本の委任統治時代、玉砕の戦場となった太平洋戦争期、戦後の水爆実験に至る、南洋群島の“忘れられた現代史”。

井上 亮
シリーズ・巻次 平凡社新書  783
出版年月 2015/08
ISBN 9784582857832
Cコード・NDCコード 0221   NDC 210.6
判型・ページ数 新書   232ページ
在庫 在庫あり
この本の内容
目次

西太平洋の広大な海域に点在する、六〇〇を超える島々。
日本は太平洋戦争に敗れるまでの約三〇年間、現在ミクロネシアと呼ばれる、この「南洋群島」を事実上の領土として支配した。
「楽園」といわれた島々は太平洋戦争で玉砕・集団自決の悲劇の舞台となった。
「海の生命線」として戦略的に重要視されつつ、その後は忘却されてきた島々を通史的に描く。

◎書評/紹介ほか
tokyo_20151011.pdf

はじめに

第一章 日本帝国の南進
上から操作された「南進ブーム」/南進論の系譜/「無主無人の島」/スペインの植民地政策/南洋のシベリア/天から降ってきた「第三の植民地」/太平洋戦争への重大な伏線/委任統治の受任国というステータス/ジョーカーを引いた日本

第二章 冒険ダン吉と三等国民
南洋諸島を支配した海軍の体現者/守備隊による島民教育/「国策移民」により人口は増大/「私は天皇陛下の赤子です」/内地観光団と神社建立/衣の下の植民地支配/「北の満鉄、南の南興」/沖縄県人に対する差別/悲しきナショナリズム

第三章 海の生命線
南洋群島がアメリカ海兵隊を育てた/海軍による「海の生命線」というキャンペーン/国連脱退後に進んだ領土化/ルーズベルトが唱えた太平洋諸島の中立化案/「生命線」から「導火線」に

第四章 楽園と死の美学
投降すれば「非国民」/「お国のために美しく死ぬ」ことの賛美/優遇措置と徴兵忌避/大本営による「転進」という造語/「絶対国防圏」から外れたマーシャル群島/「上陸作戦は守備側有利」/引き揚げも残るも地獄/サイパンの放棄を決定/病院とは名ばかりの洞窟/アメリカ人が見た日本人の「奇妙な儀式」/サイパン戦死者の六割が沖縄県出身者/戦う前に戦力を消耗/「島もろともの特攻」/「防波堤」から「捨て石」へ/ものづくり思想の戦い/「ペリリューはまだ落ちぬのか」/飢餓との戦い

第五章 日本を焼き尽くす砲台
航空基地建設に借りだされた囚人たち/急増する朝鮮人人口/パラオ人たちの「特殊任務」/B29の発進基地に/日本の防空体制/極秘の原爆投下部隊/日本へ飛び立ったエノラ・ゲイ

第六章 水爆の海
徴用漁船の受難/焼津漁業の南洋進出/極秘水爆実験「ブラボー」/アメリカの「ズー・セオリー」/「原爆マグロ」のパニック/ビキニ水爆実験初の犠牲者/死の灰を浴びたマーシャル諸島の住民

第七章 「南洋帰り」の戦後
「南洋帰り」に対するやっかみ/民間抑留者に課せられた死体の処理/南洋での「勝ち・負け抗争」/敗戦後の殺伐とした空気/南洋再移民熱は下火に/親日感情の正体/不誠実な日米の損害賠償/軍事基地提供の見返りが援助金/消えゆく生き証人
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