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イルカ漁は残酷か

イルカ漁は残酷か

全ての議論はここから始まる! イルカ追い込み漁は日本の伝統か、心ない行為か。気鋭のノンフィクション作家が見出した驚くべき真実

伴野 準一
シリーズ・巻次 平凡社新書  785
出版年月 2015/08
ISBN 9784582857856
Cコード・NDCコード 0262   NDC 664.9
判型・ページ数 新書   304ページ
在庫 在庫あり
定価924円(本体840円+税)

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この本の内容
目次

イルカ追い込み漁は、はたして日本の伝統なのか、はたまた反捕鯨団体が批判するような心ない行為なのか。映画「ザ・コーヴ」を契機に巻き起こったこの議論は、残念なことに、双方の主張が不毛な感情論のまま平行線をたどっている。だが今必要なのは、虚心坦懐にイルカと人間の関係を知ることだ──。気鋭のノンフィクション作家による詳細な歴史調査と関係者への徹底インタビューから、この問題の驚くべき真実が見えてきた。賛成、反対、すべての議論はこの本から始まる!

まえがき

第一章 最後のイルカ漁
イルカ追い込み漁のメッカ伊豆半島/共同操業と資源枯渇の始まり/イルカの屠殺現場が明るみに

第二章 太地町立「くじらの博物館」物語
古式捕鯨発祥の地/江戸時代から盛んだったゴンドウ漁/短かった終戦直後のゴンドウ景気/南極海捕鯨から観光立町へ/新生太地町の象徴「くじらの博物館」/クジラ・イルカ捕獲作戦始動/追い込み失敗で広がる無力感

第三章 太地追い込み漁成立秘話
生け捕り成功、活気づく太地町/イルカ捕獲の試行錯誤/バンドウイルカの大量捕獲に成功/漁船のFRP化と追い込み漁の完成/生け捕り目的で始まったバンドウの追い込み

第四章 価値観の衝突
豊漁と表裏一体のイルカ食害/イルカ駆除成功で巻き起こる国際的な批判/ハワイからやってきた活動家/イルカ漁論争の原点/活動家、その短い生涯

第五章 スター誕生
イルカ・スタントショー発祥の地/マイアミ海洋水族館とリック・オバリー/アルビノ・イルカを捕まえろ/フリッパー登場/イルカ・トレーナーからイルカ活動家へ

第六章 乱獲と生体ビジネスの始まり、包囲網の形成
英作家C・W・ニコルの戦慄/リック・オバリー、イルカ漁を目撃/水銀問題と謎の撮影クルー/太地町を変えたドキュメンタリー映画

第七章 イルカと水族館
生体販売ビジネスに手を染めた太地町/エルザの会、JAZAに要望書を提出/名物園長イルカ問題を語る/鴨川シーワールド館長JAZA会長に就任/二〇一四年八月、世界協会と合意へ

第八章 幕間劇「くじらの博物館訴訟事件」
リック・オバリーは語る/身勝手な言い分

第九章 夏は終わりぬ
二〇一四年ジャパン・ドルフィンデー/記録的不漁だった二〇一四・二〇一五年漁期

終章 イルカと人間の現在
イルカと牛豚、屠殺方法の違い/動物福祉的価値観とイルカ漁/イルカ飼育は虐待か/命の値段

あとがきに代えて

ノート
参考文献