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カレル・チャペック

カレル・チャペック

小さな国の大きな作家

『ロボット』等のSFから政治的批評、『園芸家の一年』等のエッセイまで、多様な作品を紹介しつつ素顔と全体像を描く伝記&入門書。

飯島 周
シリーズ・巻次 平凡社新書  798
出版年月 2015/12
ISBN 9784582857986
Cコード・NDCコード 0298   NDC 989.5
判型・ページ数 新書   280ページ
在庫 在庫あり
定価902円(本体820円+税)

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この本の内容
目次

 

『ロボット』や『山椒魚戦争』などのSFから、『ダーシェンカ』『園芸家の一年』などのユーモア溢れるエッセイまで、幅広い作品で知られるカレル・チャペック。暖かく優しいまなざしで、自然やふつうの人々を描く一方、「ジャーナリストとしての観察眼、哲学者としての思考力、作家としての表現力」を武器に、権力やファシズムと闘い続けた彼の生涯と作品を辿り、その魅力と全体像に迫る。

 

はじめに
第一章 世に出るまで
一 クラコノシュの庭──少年時代ペチャとイチェク/それぞれの道
二 プラハとの出会い
ギムナジウム/カレル大学で/文筆家の道へ
第二章 ジャーナリスト、作家として
一 日々の流れの岸辺で
わたしはジャーナリストです/普遍性の洞察
二 ロボット誕生
劇作家として/『ロボット』初演
三 郵便屋さんとおまわりさん4
『長い長いお医者さんの話』/主人公は働く人たち
四 旅人の眼
『イタリアだより』/『イギリスだより』/『スペイン旅行記』
『オランダ絵図』/『北欧の旅』/『チェコスロヴァキアめぐり』
五 キュビスム的認識──哲学的認識論三部作
『ホルドゥバル』/『流れ星』/『平凡な人生』
六 政治的動物──政治と文化とのかかわり
「政治的動物」/「政治について」/「わたしはなぜコミュニストではないのか」/「文化」とは何か
マサリク大統領との出会い/『マサリクとの対話』/「大晦日事件」/国民労働党
七 山椒魚との闘い──ファシズムへの抵抗
隣国ドイツに対する警戒/ヨーロッパのあるべき姿/深く刺さったとげ
ナチスドイツに対する抵抗/強まる脅威の中で/病に倒れる
第三章 趣味に生きる
一 多様な趣味
二 犬と猫の飼育──間違いからの出発
ミンダ/イリス/ダーシェンカ/プドレンカ
三 園芸の楽しみ
『園芸家の一年』/チャペックの庭/ストルシュでの生活
四 カレル・チャペックの詩
チャペックの言葉と詩/政治的な詩/フランス詩の翻訳/愛の詩/時事批評の詩
五 カレルと日本
浮世絵への関心/日本からの手紙/関東大震災/チャペックの日本観
第四章 カレルの周辺の人たち
トーマス・マンとの交流/兄ヨゼフ/妻オルガ/義姉ヤルミラ/友人ランゲル/金曜会


年譜
カレル・チャペック主要著作一覧
参考文献
あとがき