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孫文と陳独秀

孫文と陳独秀 新刊

現代中国への二つの道

辛亥革命の大立者は国父と称えられ、新文化運動の指導者にして中国共産党創設者は裏切り者扱い。中国近代を招来した二人の真の姿は。

横山 宏章
シリーズ・巻次 平凡社新書  837
出版年月 2017/02
ISBN 9784582858372
Cコード・NDCコード 0222   NDC 222.07
判型・ページ数 新書   288ページ
在庫 在庫あり
この本の内容
目次

辛亥革命の立役者となり、初代中華民国臨時大総統に就いた孫文は、「国父」、英雄とあがめられ、新文化運動・五四運動を領導し、中国共産党を創設した陳独秀は、長く「裏切り者」の誹謗にさらされた。孫文・国民党と陳独秀・共産党の「国共合作」は、陳独秀の抵抗をおしてコミンテルンと孫文の思惑により成立、失敗した。本当は彼らは何を考え、何をしたのか? 対照的な二人の思想家・活動家の事跡をたどり、現代中国史の歪みを正す。

はじめに

第一章 甲午の役(日清戦争)と庚子の役(義和団)
日清戦争と孫文の「興中会」立ち上げ/「反清復明」の秘密結社
「南清独立計画」と日本への協力要請/陳独秀──「拒俄運動」の洗礼
「安徽愛国会」からスタート/章士釗と蘇曼殊/『安徽俗話報』の発行
次々に論文掲載──「亡国篇」/孫文の「亡国」論との違い/文化の大衆化を目指す
中国知識人の自覚と日清・日露戦争/陳独秀は女性解放論を唱える/「岳王会」設立

第二章 中国同盟会の結成と陳独秀の東京留学
革命結社の大同団結を求める孫文/東京で「中国同盟会」結成/孫文の「四綱」
「三序」──段階的革命論/革命軍旗をめぐる争い/孫文の「餞別・買収」問題
陶成章「孫文の罪状」/孫文がいない間に辛亥革命が始まる
孫文の帰国と中華民国臨時大総統への就任/テロリズムに参加した陳独秀、蔡元培
孫文は革命スポンサーを求めて奔走/陳独秀──「安徽公学」で教員に
東京への二年間の留学/章炳麟の「亜州和親会」に参加/革命家を支える女たち
陳独秀の駆け落ち/陳独秀の息子たち/孫文──嫌々ながらの結婚/「革命妻」陳粋芬
陳独秀のつかの間の新婚生活

第三章 中華民国の誕生
Welcome 袁世凱/孫文「私以外にいない」/ナンバーツー黄興/新政府は財政難
立憲議会制と孫文「三序」構想/孫文の宋教仁批判/国民党の勝利と宋教仁暗殺
「第二革命」発動/安徽都督府秘書長の陳独秀/「第二革命」で上海、東京へ

第四章 『新青年』と「新文化運動」
革命派の日本亡命/中華革命党と革命派の分裂/意気軒昂な孫文、意気消沈の陳独秀
陳独秀──思想革命への道/陳独秀の「朝鮮亡国論」/一九一五年という年
『新青年』刊行/デモクラシーが中国を救う/任建樹『陳独秀大伝』から見た『新青年』
唐宝林『陳独秀全伝』から見た『新青年』/魯迅のいう「国民性の改革」
「青年よ、自覚して奮闘せよ!」/東洋思想より人権尊重の西洋思想を
「護国戦争」批判/儒教支配の呪縛からの解放/胡適とともに「文学革命」へ
毛沢東も心酔/蔡元培による陳独秀の北京大学招聘/「北京市民宣言」ビラと逮捕
出獄後、北京から上海へ/若き毛沢東の陳独秀・孫文評価

第五章 中華革命党と党治論、愚民論
絶対服従を求める孫文/黄興らの参加拒否/民権を唱え独裁を志向/「以党治国」論
「愚民」論──孫文思想の根底/「訓政保母」論/「権」と「能」の区別
孫文独裁論への批判/「護国戦争」では脇役/黄興、李烈鈞、柏文蔚らとの関係修復
軍閥混戦の時代へ/奇妙な顔が揃った上海会議/広州「護法軍政府」と孫文大元帥
陳独秀の孫文・護法政府観

第六章 マルクス主義者となって中国共産党創設
「五四運動」以後/陳独秀──ウィルソン「平和の十四カ条」礼賛と失望
西欧啓蒙思想からマルクス主義へ/孫文と陳独秀がはじめて顔を合わせた一九二〇年
コミンテルンの民族統一戦線結成決議/陳独秀のマルクス主義への接近
ヴォイチンスキーの派遣/「マルクス主義研究会」のスタート/「共産主義小組」結成
一九二〇年三月、孫・陳の初会合/中国共産党創立大会

第七章 広東軍政府の建設とコミンテルンの支援
広東の英雄・陳炯明の登場/第二次広東軍政府の成立/陳炯明の「連省自治」運動
陳独秀の連省自治運動批判/陳炯明と孫文の対立/陳炯明の叛乱(クーデター)
第二次広東軍政府とコミンテルン/マーリンの国民党評価/コミンテルンへの報告
ロシアに目を向ける孫文/「反直三角軍事同盟」の推進/「孫・ヨッフェ連合宣言」
客軍を集めて第三次広東軍政府を樹立/国民党を委員会制に改組
広州の近代的都市整備/広州商団軍との対立/孫文、広州を放棄して北伐出師へ
孫文のコミンテルン提携の真の狙い

第八章 孫・陳提携と「国共合作」
孫文・国民党への不信感/無理やり承認させられた国共合作
「火山」陳独秀とマーリンの喧嘩/陳独秀、共産党は孫文の軍閥依存を批判しつづけた
陳独秀と共産党を絶対服従させようとする孫文/孫文が容認したのは「党内合作」
「三民主義」講話は個人の自由を批判/「善後会議」と「国民会議」
孫文の北京での客死

後記

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