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脱 大日本主義

脱 大日本主義

「成熟の時代」の国のかたち

親米保守路線と成長戦略が行き詰まる中で日本はどうすべきか。対米従属からの脱却、低成長時代の成熟戦略を提唱する。内田樹氏推薦。

鳩山 友紀夫
シリーズ・巻次 平凡社新書  846
出版年月 2017/06
ISBN 9784582858464
Cコード・NDCコード 0231   NDC 310
判型・ページ数 新書   248ページ
在庫 在庫あり
定価880円(本体800円+税)

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この本の内容
目次

明治以来の大日本主義的志向は戦後も、

「経済大国から政治大国へ」という

夢として信じられてきた。しかし、

世界における相対的地位が低下し、             

人口減少と低成長経済が続くなかで、

日本という国はいかにあるべきなのか。

ナショナリズムとポピュリズムが

拡張している今、政治に何が必要か。

《目次》
まえがき
安全保障体系を再構築する好機/中規模国家化の宿命

第一章 大日本主義の幻想──グローバリズムと日本政治
「友愛」の現代的意義/ナショナリズムとポピュリズムの異常拡張期
「自立」と「共生」/安保改定の意味/冷戦後の日本政治
安保条約の変容/親米保守路線の行き着く先
「年次改革要望書」と「アーミテージ=ナイ報告書」
トリッキーな「のれん分け戦略」/鳩山内閣の蹉跌
親米保守派による倒閣運動/日米合同委員会の弊害
TPPの浮上の意味/米大統領選における有権者の反乱
地域統合と国民国家/大国は多国間主義を嫌う
二つのグローバリズムへの対抗力を/TPPの挫折
RCEPへの期待/再び東アジア共同体構想を表舞台に
安倍政権の中国封じ込め策は愚策/右往左往しない日本をつくる

第二章 自立と共生への道──対米従属からの脱却
安保ただ乗り論の虚妄/従属国家の現実が可視化されている沖縄
「駐留なき安保」論の系譜/自立の機会をうかがっていた外務省
中国は本当に脅威か/米国は尖閣にかかわりたくない
「中国の海洋進出」をどう見るか/「北の脅威」とは何か
核武装自立論の不毛/専守防衛からの転換は不可能
中国の台頭はアジアの台頭/中規模国家の悩み
日米同盟強化論の陥穽/外交に「価値観」を持ち込む愚
沖縄基地問題は親米保守路線の恥部/琉球ナショナリズムとの共生を
「空気」の中で決まったイラク攻撃支持/中東の紛争には深入りしない
大日本主義か「脱」大日本主義か/中国文明の復活とどう向き合うか
抑止力の陥穽/専守防衛を貫く決意
ニクソン・ショックに等しい「TPP離脱」宣言/日米同盟への期待過剰と依存過剰
「共生」を通じての「自立」

第三章 「成熟の時代」の国のかたち──成長戦略から成熟戦略へ
かなわぬ大日本主義の夢/「成長の時代」から「成熟の時代」へ
歴代内閣の「成長戦略」/「人間のための経済社会」
民主党政権の「コンクリートから人へ」/格差社会への対応
アベノミクスの異常性/何のための成長か
急速に進む階層化/成熟国家の使命
成熟戦略の基本原則/東アジア地域経済統合の推進
「公正な社会」を目指す/国民国家の統合を重視
外国人単純労働力の解禁は慎重に/英語公用語化に反対する
成熟国家の時代精神

第四章 脱 大日本主義へ
「日本ナショナリズム解放路線」への危惧/一つの「解」としてのリージョナリズム
国連常任理事国を目指さない/原子力発電をやめる
東アジア共同体を目指す/自立と共生への決意

 解説 「気まずい共存」の時代に  内田樹
政治大国には永遠になれない/ミドルパワーとしての存在感を
「気まずい共存」と東アジア共同体構想/友愛を通じての実践

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