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一遍 捨聖の思想

一遍 捨聖の思想 新刊

中世に巨大な影響力をもった時衆と一遍の思想。その本体を浄土教の歴史の中に位置づけて探る。信をも捨てて念仏へと向かう他力思想。

桜井 哲夫
シリーズ・巻次 平凡社新書  851
出版年月 2017/08
ISBN 9784582858518
Cコード・NDCコード 0215   NDC 188.69
判型・ページ数 新書   256ページ
在庫 在庫あり
この本の内容
目次
 浄・不浄をきらわず念仏札を配り、貴族から癩者まで全社階層を包摂し、踊念仏の勇躍をリードした一遍と時衆。その社会的な存在の大きさにもかかわらず、その思想の探求はなおざりにされてきたきらいがある。けれどもそれは、インド、中国、日本へという浄土教の流れの極を形作るものである。すべてを捨て果て、心や〈信〉をもほうって、名号のみに立脚する一遍の思想、その本体を浄土教史と一遍の言葉のうちにとらえる。
《目次》
はじめに
第一章 浄土教のルーツを求めて
浄土教の歴史/「阿弥陀仏」の原語と起源/「極楽浄土」の観念
中国における浄土教の誕生/日本浄土教の源流「善導流」/異端としての善導

第二章 日本における浄土教の展開
日本への仏教伝来/仏教の広がり/「浄土の教え」の始まり/平安の浄土教
源信と『往生要集』/院政期の浄土教/聖と沙弥の念仏/法然──比叡山黒谷から
専修念仏と法難/「革命」としての法然浄土教/浄土教の広がり/難問としての親鸞
玉日と恵信尼/親鸞思想の核心

第三章 一遍と時衆
伊予松山の武将・河野通広の次男/十一不二の頌/熊野成道
六十万人頌・六字無生の頌/踊り念仏/時衆・時宗/鎌倉へ・京へ/一遍の死
二祖他阿弥陀仏真教/真教の遊行/知識帰命/遊行の相続/組織者・真教
真教以後の時衆教団/時衆諸派/時衆の社会的活動とその文化──陣僧/葬送
遊行上人尊観・徳阿弥と客僚・客寮/時衆と同朋衆・芸能者

第四章 「一遍上人語録』を読む
一 『一遍上人語録』の成立
二 身を観ずれば水の泡──別願和讃
三 独むまれて独死す──百利口語
四 身命を惜しまず 本願に帰入し──誓願偈文
五 一切の事を捨てゝ申念仏こそ──消息法語
「捨ててこそ」/「出離の要道」
六 となふれば仏もわれもなかりけり──偈頌和歌
七 門人伝説
三心といふは名号なり──『語録下二』
今の名号は能所一体の法なり──『語録下七』
念仏が念仏を申なり──『語録下十六』
自力他力は初門の事なり──『語録下十八』
称名の外に見仏を求べからず──『語録下三十五』
我等は下根の者なれば、一切を捨ずば──『語録下四十四』
有心は生死の道、無心は涅槃の域なり──『語録下六十』
念仏の下地をつくる事なかれ──『語録下六十九』
まよひも一念なり、さとりも一念なり──『語録下七十三』
名号は義によらず心によらざる法──『語録下八十三』
知りて知らざれ、還て愚痴なれ──『語録下八十七』
法師のあとは、跡なきを跡とす──『語録下九十八』

あとがき
参考文献一覧

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