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武田勝頼

武田勝頼

試される戦国大名の「器量」

偉大な父信玄の跡目を継いだ勝頼。彼の足跡や御家事情などを通して、大名の「戦争」の意味を探り、戦国大名像の真実に迫る。

丸島 和洋
シリーズ 中世から近世へ  
出版年月 2017/09
ISBN 9784582477320
Cコード・NDCコード 0021   NDC 210.47
判型・ページ数 4-6   384ページ
在庫 在庫あり
定価2,090円(本体1,900円+税)

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この本の内容
目次

生き残りをかけて、信頼が問われた乱世――。

 個の実力のみに帰しては見誤る、武田氏滅亡への道。
 勝頼の「不運」とはいかなるものであったのか。
 その正体を探っていけば、戦国大名の本質が見えてくる。

はじめに――勝頼は信長となにが違ったのか

第一章 勝頼の出生と高遠諏方氏相続
武田氏と諏方氏の同盟
諏方頼重の滅亡
高遠諏方頼継の反乱
信玄と乾福寺殿の結婚
高遠諏方頼継の動向
頼継の命日と高野山成慶院「供養帳」
勝頼による高遠諏方頼継の供養
高遠諏方「勝頼」の誕生
諏方勝頼の家臣
高遠領支配

第二章 思いがけない武田復姓
「御一門衆」という家格
「御一門衆」としての諏方勝頼
桶狭間合戦と美濃・尾張情勢
信玄・義信父子の亀裂
「義信事件」の勃発
勝頼と信長養女の婚姻
義信死去と嫡男武王丸の誕生
今川氏との関係悪化と勝頼の活動
駿河侵攻と甲駿相三国同盟崩壊
勝頼の駿河侵攻参陣
武田復姓
正室の死去と妹松姫の縁談
「元亀争乱」の勃発
義昭の和睦調停
信玄の権僧正任官と郡上遠藤氏の動向
「西上作戦」に向けて
徳川領侵攻
激怒する織田信長と美濃情勢
足利義昭の挙兵
信玄死去

第三章 武田氏の家督相続と不安定な基盤
『甲陽軍鑑』の記す信玄の遺言
勝頼は陣代であったか
『甲陽軍鑑』における勝頼像
宿老層との摩擦
勝頼不在の「御備えの談合」
勝頼家臣の世代差
「三年秘喪」の実施
あっけない露顕
上方の同盟国の滅亡
東美濃攻勢
祖父の帰国
高天神城攻略
内政基盤の強化

第四章 長篠合戦
信玄三回忌法要
長篠への道
信長出馬
「武田騎馬隊」対「鉄砲三段撃ち」
戦国大名の軍隊編制
武田勢と騎馬・鉄砲
「兵農分離」問題
勝頼の決断
数刻に及ぶ激戦
膨大な戦死者
岩村落城

第五章 内政と外交の再編
長篠戦死者への対応と軍制改革
城代・郡司の交代
伝馬法度改定と獅子朱印の創設
外交関係の再編
信玄本葬
足利義昭の鞆移座と甲芸同盟成立
北条氏政との同盟強化──桂林院殿入輿
小笠原信興の転封と岡部元信の高天神入城
金山枯渇と商人衆の積極登用
同盟国支援の難しさと「興亡」の出陣
富士大宮遷宮
高野山宿坊相論
諏方大社再興
曹洞宗法度の追加
本門寺の相論裁許

第六章 甲相同盟崩壊と領国の再拡大
上杉謙信の死去と「御館の乱」
新規占領地の軍政
御館の乱終結と北条氏との開戦
甲越同盟と甲佐同盟──北条包囲網構築
信勝の元服
上野における勝頼の攻勢
織田信長との和睦交渉──「甲江和与」
真田昌幸の沼田攻略
郡司に求めた勝頼の法規範
勝頼の領域支配と家臣団統制制度 
東上野侵攻と駿河・遠江での苦戦

第七章 武田氏の滅亡──戦国大名の本質
甲斐本国への北条勢侵攻
勝頼外交への評価
募る穴山信君の不満と駿河・遠江の劣勢
高天神城落城の衝撃
起死回生を目指す外交策
新府築城
織田勢の侵攻
穴山信君離叛と新府城放棄
武田氏滅亡
勝頼とともに自害した人々
勝頼の供養
国衆離叛の背景と戦国大名の本質

おわりに

装幀=大原大次郎

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