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猫だもの

猫だもの 新刊

ぼくとノラと絵描きのものがたり

一匹のノラとの出会いが、人生を変えることだってある。牛乳配達の青年とノラ猫キタカルの交流、こころはきっと前向きになる。

いせ ひでこ 絵と文
かさい しんぺい
出版年月 2017/09
ISBN 9784582837667
Cコード・NDCコード 8771   NDC 726.6
判型・ページ数 A5変   56ページ
在庫 在庫あり
この本の内容

 本書『猫だもの――ぼくとノラと絵描きのものがたり』は、画家・絵本作家 いせひでこ、新人作家 かさいしんぺい による交換日記・往復書簡のような形で、4つのエッセイ・日誌を構成したものがたりです。
 
 発端は、1999年にさかのぼります。高校を卒業後に牛乳配達をはじめた青年が、夏の早朝、配達中の牛乳びんを落して割ってしまいました。牛乳は海のように広がります。あわてて拭きはじめた牛乳を、どこからか猫が現れ、舐めはじめます。「奇妙な共同作業だった」と感じた出会いからはじまった青年とノラ猫とのつきあいは、その後も毎朝つづきます。
 
 
牛乳の名前をもとに「キタカル」と名付けたノラ猫、それまで関心のなかった猫といういきもの、ノラとそれをとりまく人たちとの関わりなどをとおして、青年は自分をとりまく社会へと目を向けはじめ、こころをひらいていきます。
 
 
日々のさまざまな感想や発見をつづった日誌を、子どもの頃からの知り合い、画家・いせひでこに青年は届けます。それが2001~02年に雑誌『猫びより』に、連載「絵描きとしんぺいとのらの キタカル日誌」として4回掲載されました。本書前半の「キタカル日誌」(かさいしんぺい)と「しんぺいの手紙」(いせひでこ)は連載を改稿して収録したものです。

 それから15年、2017年5月に、ふたりの絵本『ねぇ、しってる?』が刊行されました(作:かさいしんぺい、絵:いせひでこ、岩崎書店)。この絵本のキーワードは「だいじっこ」です。《だれもが、だれかにとって大切な子、大事な人である》という作者の思いを、ことばと画で編んだ絵本です。

 そのふたりが過ごした15年の時を、「猫だもの」(かさいしんぺい)と「絵描きだもの」(いせひでこ)と題して書き下ろし、本書の後半に収めました。

 青年は、キタカルとの出会いから4年後、社会に戻ろうと決め、大学に入ります。6歳違いの同級生たちと過ごし、会社に勤め、IT系エンジニアとして現在にいたります。そのきっかけが、ノラ猫キタカルの生き方であり、「一匹のノラとの出会いが、人生を変えることだってある」という思いを抱きました。一方、画家は、2000年前後、青年と同世代の子を育てる母親でした。子育てと創作のはざまの自分、また2004年の絵本『絵描き』以降の作品に登場する青年像の誕生など、日常の断片から創作にいたる軌跡が書かれています。

 青年の成長のものがたり、猫をめぐる人と人とのつながり、子どもと親のこころの軌跡、見ること・書くこと・描くこと・つながりをもつことの楽しさ、猫の不思議と魅力など、さまざまな読み方をしていただけるのではないかと思います。また、猫と青年と四季を描いた、幻想的で象徴的でコミカルな、そして詩情あふれる いせひでこの画も楽しんでいただけると思います。

――著者紹介――

■いせひでこ(伊勢英子)■
画家、絵本作家。1949年生まれ。
13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞したのをはじめ、絵本にっぽん賞、産経児童出版文化賞美術賞、講談社出版文化賞絵本賞など受賞多数。
絵本の代表作に『ルリユールおじさん』『1000の風 1000のチェロ』『絵描き』『大きな木のような人』『あの路』『まつり』『最初の質問』『チェロの木』『かしの木の子もりうた』『幼い子は微笑む』『木のあかちゃんズ』などがあり、フランスなど海外で翻訳出版されている絵本も多い。翻訳絵本にフランスのジル・バシュレ作〈世界一バカなネコ〉シリーズ(3作)と『不思議の国のシロウサギかあさん』、共訳書に『テオ もうひとりのゴッホ』などがある。エッセイに『ふたりのゴッホ――ゴッホと賢治37年の心の軌跡』『旅する絵描き――パリからの手紙』『七つめの絵の具』など、絵と文を綴った本に『わたしの木、こころの木』『こぶしのなかの宇宙』『グレイのものがたり』など多数。
制作と共に原画展を各地で開催し、絵本を通して人と人の絆を拓く活動をつづけている。 

■かさいしんぺい(葛西新平)■
IT系エンジニア、作家。1979年、東京都生まれ。
会社勤務のかたわら、創作とエッセイを執筆。雑誌『猫びより』に「キタカル日誌」を連載(本書『猫だもの』に収録)。2017年、〈だいじっこ(大事な子、大切な人)〉をキーワードに絵本初作品『ねえ、しってる?』を創作(絵・いせひでこ。岩崎書店)。自作サイト「平成の青」http://heiseinoao.net/ にて文章、エッセイを発表している。

 

 

 

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