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遺伝か、能力か、環境か、努力か、運なのか

人生は何で決まるのか

格差が拡大し固定化する社会のなかで、いかに生きればいいか。格差研究の第一人者が知識を総動員し、その打開策を探る。

橘木 俊詔
シリーズ・巻次 平凡社新書  860
出版年月 2017/12
ISBN 9784582858600
Cコード・NDCコード 0236   NDC 361.8
判型・ページ数 新書   240ページ
在庫 在庫あり
この本の内容
目次

格差の拡大と固定化は、もはや周知の事実である。所得や資産において貧富の差はますます大きくなり、教育、就職といったことに関する格差も広がる一方である。しかし、不遇な環境で育ったとしても、人生を諦めることはない。自分が置かれた五つの境遇を冷静に判断し、その能力と特性に合致した合理的な努力を積み重ねれば、順調な人生を送れる可能性が、より高まっていくことだろう。

《目次》
はしがき
第1章 遺伝──親が優秀なら子どもも有能か
1 名門家系の歩みからわかること
戦国・江戸時代に権勢を誇った画家の狩野一家
80人にものぼる音楽家を生んだバッハ一族
2 遺伝の役割とは何か
世代間で継承される遺伝情報
優生思想を生む契機となったメンデル「遺伝の法則」
ダーウィンの進化論は社会に何をもたらしたか
強者が弱者を排除するという危険な思想
3 遺伝学の発展から何を学ぶか
遺伝子か経験かという論争
利己的・利他的という言葉の持つ道徳的価値
遺伝学の発展から得られる教訓
4 人類の進歩を図るはずの優生思想だが……
優生学とは何か
優生学の創始者ゴールトンの社会的警告が意味したもの
白人優位のアメリカで行われた断種法と移民禁止法
悪名高いナチス・ドイツの優生政策
アジアにも広がった優生思想

第2章 能力──体力、知力、学力、性格……
1 IQ(知能指数)は生まれ持ってのものなのか
人間の能力とは何か
子どもの知能は親の知能で決まらない
IQに関する二つの論争、人種による格差の真実
知能は年齢によって変化する
時代の経過とともに上がっていくIQ
2 知能以外の能力の特性をみてみよう
運動能力の継承はどれほどなされるか
遺伝的な要素が強く現れる音楽の才能
もっとも把握が難しい人の性格をどう測るか

第3章 環境──育てられ方、教育の受け方
1 人生を大きく左右する家庭環境
親の教育、職業、所得が子どもに与える影響とは
養子に出された子どもの知能指数
一卵性双生児と二卵性双生児を異なる二つの環境におく
いくら頑張っても追いつけない
学力の遺伝率55パーセントとどう向き合うか
遺伝や環境のみで人の性格は決まらない
2 子育て、教育、そして学校間格差
生まれる前から既にはじまっている
〝3歳児神話”と「良妻賢母」論
なぜ、母親だけが子どもの教育にあたるのか
子どもの学力向上に与える母親の影響とは
幼児教育の充実がもたらす恵まれた人生
幸せな人生を送る保証とは限らないが……
本来、IQとは学力の高さではない
学校教育は確実に学力を高めた
「ゆとり教育」は何をもたらしたか
学校間格差を考える

第4章 努力──どれだけ頑張ればいいのか
1 学業における努力
勉強時間が長ければ長いほど、学力は高まるのか
家庭での教育環境と本人の意欲
学力の高い学校とそうでない学校
学力向上に努力する小・中学校と格差
アメリカの定説「効果的な学校」とは
強い忍耐心とたゆまぬ努力が実を結ぶ
2 スポーツや芸術の世界における努力
ハンディを乗り越えるプロバスケットボール選手の努力
イチロー、王貞治の固い意志に裏打ちされた偉業
やみくもな練習はかえってマイナスとなる
天才モーツァルトの才能と幼い頃の努力
チェスや囲碁の強さとIQは相関しない
3 組織(企業や役所)で働く人の努力
学歴社会は平等か、不平等か
勉強という努力の成果は、就職には有利だが……
社会での努力と実績をどのように評価すればいいのか

第5章 運──運・不運を探求する
1 運をどう生かすか
「運も実力のうち」を様々な角度から解釈すれば……
才能や努力の欠如を無視すれば、運は巡ってこない
運、不運、そしてリスク……
危険回避度、時間割引率から運やリスクを考える
2 生まれながらの容貌で決まる運・不運
容貌も運の一つ
容姿のあいまいな評価と恐ろしい事実
美貌が得である、そのわけとは……
劣等感は乗り越えられる

あとがき
参考文献
  • 今日の平凡社
  • カスタム出版
  • 入れサービス