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21世紀の長期停滞論

21世紀の長期停滞論 新刊

日本の「実感なき景気回復」を探る

景気回復が意識される一方、人々の将来に対する不安は増しているのではないか。では、なぜ不安は解消されないのか。その原因を探る。

福田 慎一
シリーズ・巻次 平凡社新書  863
出版年月 2018/01
ISBN 9784582858631
Cコード 0233
判型・ページ数 新書   224ページ
在庫 在庫あり
この本の内容
目次

21世紀型の長期停滞は、本来の実力より低いGDP水準に加え、「低インフレ」「低金利」状態が長期にわたって続くという特徴を持つ。
日本では、アベノミクス以降、雇用関連など力強い経済指標は存在するが、賃金の上昇は限定的で、物価上昇の足取りも依然として重い。さらに、少子高齢化や財政赤字の拡大など懸念が増す一方である。
日々高まる経済の現状への閉塞感から脱却するためにも、その原因を丁寧に検証し、根本的な解決策を探る。

《目次》
はじめに
第1章 「長期停滞」という新たな時代へ
21世紀型の長期停滞とは/世界経済における戦後の繁栄から停滞へ/米国経済に与える生産性の低迷/過剰貯蓄=需要不足と長期停滞/サマーズの懸念を示した概念図/大きく下回る先進主要国の実質GDP/長期停滞と低インフレ、低金利
第2章 なぜ、長期停滞は起こったのか
需要不足から捉える長期停滞論/頻度を増すバブルの発生と崩壊/毀損する金融機関の健全性/グローバル・インバランス(不均衡)を引き起こす要因/多くの先進国で進む人口減少と高齢化/世界的な所得格差の拡大/その他の要因も無視できない
第3章 日本の「実感なき景気回復」
「失われた20年」の教訓/実感なき景気回復/インフレ目標2パーセントは超えられない/なぜ、物価は上がらないのか/日銀の異次元緩和に関する「総括的検証」/日本のGDPギャップ/人手不足や企業の高収益は続いている/だが、需要不足は本当に解消されたか
第4章 長期停滞論からみた日本の景気
先進主要国の消費者物価/長期停滞下での景気循環の捉え方/潜在GDPの計算方法/内閣府による潜在GDPの推計/GDPギャップの再考/恒常的な潜在GDPの低下/望まれる新しい視点
第5章 長期停滞下での経済政策
21世紀型の経済政策/非伝統的な金融政策の必要性/フォーワード・ガイダンス(時間軸政策)/インフレ・ターゲット/財政政策の役割とは/物価の財政理論という新たな観点/「非ケインズ効果」がもたらすもの/日本に必要な第三の処方箋
第6章 なぜ、構造改革は必要なのか
デフレ脱却に向けた構造改革/日本が抱える構造的な問題とは/需要不足の原因を探る/続く賃金の低迷とデフレ傾向/日本経済の復活に向けた処方箋とは
第7章 少子高齢化が進む日本の現状
「人口オーナス」の時代/広がる地方圏と大都市圏の人口動態格差/進まない少子高齢化対策/女性や高齢者の活用も一時的な対策/外国人労働者をめぐる問題と実情/アジアで進む人材獲得競争
第8章 イノベーションは日本を救うか
人口減少下のイノベーション/イノベーションによる負の側面/新時代に不足する労働と余る労働/需要不足による影響とは/景気動向を反映しなくなった有効求人倍率/企業に広がる資金余剰/伸び悩む借り入れ需要
第9章 財政の持続可能性を問う
拡大を続ける日本の財政赤字/遠い財政再建の道のり/財政危機のリスク/なぜ国債利回りは低いのか/低利回りはいつまで続くか/財政危機がもたらす負の連鎖/不可欠な社会保障改革
終 章 「豊かな社会」を実現するために
望まれる構造改革/実効性のある改革とは/GDPは信頼できるか/「豊かさ」を捉える試み/実りある議論のために/「不都合な真実」に目を向けよう
あとがき
参考文献
  • 今日の平凡社
  • カスタム出版
  • 入れサービス