日本でいちばん平凡な名前の出版社
秀吉の武威、信長の武威

秀吉の武威、信長の武威

天下人はいかに服属を迫るのか

信長と秀吉は「天下人」の正当性をどう語ったのか。和睦調停文書から「武威」を手がかりに詳述、さらに「惣無事令」の新理解も示す。

黒嶋 敏
シリーズ 中世から近世へ  
出版年月 2018/02
ISBN 9784582477375
Cコード・NDCコード 0021   NDC 210.47
判型・ページ数 4-6   296ページ
在庫 在庫あり
この本の内容
目次

わが武威こそ正義、そのこころは——。 

天下人が大名を服属させる時、自らの政権をどのように正当化するのか。2人の“勝者”が日本に君臨していく過程を詳述し、その意識と論理、本音と建て前について解き明かす。

【目次】
序章 「武威」から見える天下統一の実態
天下人と戦国大名
武威と遠国
本書のねらい① 曖昧な「惣無事令」の再考
本書のねらい② 信長はどこまで達成したのか

第一章 秀吉の九州「停戦令」
秀吉、天下人への道
秀吉と九州の大友氏
九州停戦令を出す
事務レベルからの停戦令通達
なぜこのタイミングに出されたのか
大友氏を不安にさせるもう一人の当事者
毛利輝元の野望/島津氏は停戦令にどう対応したか
臣従していた島津義久
九州の国分け案をめぐって
はしごを外された島津氏
輝元の苦境と変節
豊臣勢の出陣という圧力
軍勢を送る側の状況
軍勢を迎える側の状況
豊臣勢を破った戸次川の戦い
政権内部でコンセンサスのない出兵
秀吉の薩摩入り、義久の降伏
妥協の産物だった戦後処理
新たな武威の提唱へ
それは「惣無事令」と呼べるのか

第二章 秀吉の奥羽「惣無事」
奥羽の伊達輝宗と秀吉
父から息子政宗へ
政宗による蘆名攻め
秀吉の紛争調停と軍事的圧力
上杉景勝の上洛と「三家和睦」
徳川家康「赦免」に揺れる東国
家康の上洛と東国問題の新展開
つかみにくい「惣無事」の年次
家康と富田一白と「惣無事」
富田一白の野心
それは関東・奥羽「惣無事令」なのか
北条氏の従属と領国の確定
政宗にも届く上洛の催促
摺上原の戦いで勝ちすぎた政宗
政宗ラインの返信は無視できない
政宗自身が上洛せよ
政宗、小田原に出馬する
秀吉の奥羽仕置
喧伝の変質と政権の成長 

第三章 秀吉の武威と静謐
古くからの因縁の秀吉と佐々成政
主従関係の起点をめぐる認識のズレ
越中攻めと軍事的な屈服
成政の肥後拝領
肥後一揆の戦火と混乱
切腹命令
公儀性ではなく慈悲を語る秀吉
秀吉による北条氏の弾劾
厄介な沼田領問題
北条氏政、上洛せず
秀吉のカリスマ性
対応する武力と静謐
秀吉の武威の特徴

第四章 信長と奥羽
織田信長という天下人
信長と奥羽の関係の開始
伊達輝宗と遠藤基信
信長からの返書
来年は武田攻めを行う
輝宗、応ぜず
長篠の戦果と影響
信長への一味は天下のため自他のため
信長が見た日本諸国の服属状況
将軍を超えた信長
信長と上杉謙信との訣別
能登と男鹿の感覚的な距離
謙信の死と内乱
柴田勝家の語る「天下」
信長の「一統」に期待する輝宗
信長の武威の変化

第五章 信長と九州
将軍足利義昭と九州
大友を始め手に入り候
義昭と島津義久
激情に身を焦がして
激情に流されて
義昭と瀬戸内海
島津氏による南九州の制圧
信長から大友氏への宛行状
大友―島津の和睦調停
前久による島津義久の説得
義久の真意は軍事同盟の受諾
両にらみの外交姿勢
九州における信長の武威

第六章 信長の武威と東夷
美濃から信濃への侵略
しおしおとした出陣
信長から京都への戦況報告
寿がれる信長の武威
浅間山の噴火と神々の戦争
ある僧侶が見た聖徳太子の夢
夢を武器に支援を取りつける
熱狂に火をつけたのは誰か
首を懸ける場所とその意味
信長と獄門の首
信長は中世的武威を発信したのか
実際の東夷の発信者
信長を将軍に推任する動き
見立ての政治学
将軍と「朝敵」
夢まぼろしの「静謐」

終章 「武威」から見えた二人の違い
信長の武威、秀吉の武威
それぞれの関心の所在が異なる
武威の系譜の過去とその後

◎史料編

装幀=大原大次郎

関連書籍

松永久秀と下剋上

松永久秀と下剋上

戦国の梟雄を初めて正当に評価した決定版

羽柴家崩壊

羽柴家崩壊

茶々からの書状で解明する羽柴家崩壊の真相

兵農分離はあったのか

兵農分離はあったのか

中近世移行期論の中核をなす必読の一書

  • 今日の平凡社
  • カスタム出版
  • 入れサービス