知られざる北欧作家の世界が、いま、ベールを脱ぐ──。
福祉先進国・スウェーデンで、なぜアール・ブリュットは認知度が低いのか、
日本とスウェーデンとの違いとは!?
スウェーデン国内に点在する文化施設、団体を訪れながら、世界で初めて、スウェーデンのアール・ブリュット作家を網羅的に紹介する記念碑的一冊!
アール・ブリュットが提唱されだした19世紀の作家から、現代に至るまで、
全30作家の作品を一挙掲載! 論稿・対談も多数収録!!
「スウェーデンのアール・ブリュットについて、調査・発掘を行ない、展覧会を開催し、一冊の本としてまとめることができた今、強く感じているのは『人間の創造の可能性は、万国共通である』という、ごく当たり前でシンプルな事実である。洋の東西を問わず、国の持つ歴史や文化的背景が異なっていても、繰り返される人、文化、芸術、生命の豊かな営みがそこにはある。」(「おわりに」より)
【目次】
第1章 アール・ブリュットが問いかけるもの
第2章 スウェーデンのアール・ブリュット発掘
第3章 スウェーデンの作家と作品紹介
・スウェーデン作家ゆかりの地
・クルトゥーレン文化史博物館(Kulturen)
・メンタルヴォード美術館(Mentalvardsmuseet)
・ポストフューチャリスティック・ソサエティ(The Postfuturistic Society)
・アトリエイヌティ(Atelje Inuti)
第4章 現地を訪れ語り合う
補償 胎動するアール・ブリュットと地域創造
【著者紹介】
渡邉芳樹
1953年北海道生まれ。厚生労働省勤務を経て、2010~2013年、駐スウェーデン日本国特命全権大使を務める。2013年にはスウェーデン国から北極星勲章コマンデール大十字章を授与される。現在は、日本赤十字社常任理事、日本赤十字看護大学客員教授、社会福祉法人愛成会アール・ブリュット担当顧問など多くの役職を務める。
小林瑞恵
1979年長野県生まれ。社会福祉法人愛成会 副理事長・アートディレクター。2004年に障害のある人たちが創作活動を行う場「アトリエpangaea」(東京都中野区)を立ち上げる。2012~2013年のヨーロッパ巡回展、2014年のスイス、2017年のナント(フランス)、2018年のパリなど、国内外各地でアール・ブリュットを紹介する展覧会のキュレーターを務める。2016年、東京芸術文化評議会アール・ブリュット検討部会委員を務める。