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経済学者はこう考えてきた

経済学者はこう考えてきた

古典からのアプローチ

資本主義とは何か、学問としての経済学の変遷、偉大な経済学者の思想や学説の違いなど、経済思想史家の立場から経済学の初歩を説く。

根井 雅弘
シリーズ・巻次 平凡社新書  893
出版年月 2018/10
ISBN 9784582858938
Cコード・NDCコード 0233   NDC 331.2
判型・ページ数 新書   280ページ
在庫 在庫あり
定価1,012円(本体920円+税)

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この本の内容
目次

マルクスの『資本論』は、資本主義崩壊の論理を解明し、ケインズの『雇用、利子および貨幣の一般理論』は、マクロの経済安定を図る「有効需要の原理」を確立した。制度化された現代の経済学教育では、こうした古典的な考えは重視されない。しかし今でも、経済危機が訪れるたびに過去に解を求めるのは、時代を画した優れた経済理論の根底には必ず、確たる思想があるからだろう。経済学の古典的名著から学ぶ意義は、現代においても、決して色あせることはない!

はしがき
第一章 資本主義とは何か
一 疎外された労働──マルクス
二 有効需要の原理──ケインズ
三 隷属への道──ハイエク
コラム:① マルクスをとるかケインズをとるか/② ハイエクのイメージ
第二章 経済学はどのように教育されてきたか
一 サムエルソン『経済学』の登場
二 教科書にみる現代経済学の変遷
三 現代経済学の新潮流
コラム:③ 数学の経済学部カリキュラムへの導入/④ サムエルソン『経済学』の時代
第三章 教科書に馴染まなかった人たち
一 誤解されるシュンペーター
二 大衆に愛されたガルブレイス
三 金融危機のたびに思い出されるミンスキー
コラム:⑤ 日本人とシュンペーター/⑥ ミンスキー・モーメント
第四章 経済学者の思考法を比較する
一 マーシャルとワルラス
二 ケインズとカレツキ
三 シュンペーターとケインズ
コラム:⑦ マーシャリアン・クロス/⑧ カレツキ・ルネサンス
第五章 自伝を読む
一 ワルラスの自伝
二 ミルの自伝
三 ロビンズの自伝
コラム:⑨ 日本人経済学者の自伝/⑩ 評伝の経済学

付録:読書案内
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