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銀座木村屋あんパン物語

銀座木村屋あんパン物語

大山真人
シリーズ・巻次 平凡社新書  99
出版年月 2001/07
ISBN 9784582850994
Cコード・NDCコード 0277   NDC 596.63
判型・ページ数 新書   216ページ
在庫 現在品切中
定価770円(本体700円+税)

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この本の内容
目次
木村屋初代がパンづくりを覚えたのは、元武士のための「職業安定所」。あんパン全国制覇には清水次郎長が絡んでいた。職人魂、家族愛、義侠心あふれる食の文明開化を検証。 明治二年に創業、元下級武士の親子が挑んだパンづくりは維新とともに幕を明けた。明治天皇、将軍慶喜、山岡鉄舟、清水次郎長など多くの男たちに愛され、激動の日本を生き抜いたあんパン。その全国制覇までの軌跡を辿る。
職人魂、家族愛、義侠心。あんパンメンたちの熱きドラマ。
武士の商法成功す――まえがきに代えて

第一章 あんパンづくりは神頼み  
    元祖木村屋オープン/甘酒か、ビールか/へそにのせた桜の花びら
     銀座煉瓦街計画/「江戸患」に効いたパン

第二章 あんパン誕生前夜1――パンの歴史
     南蛮オタクと鎖国令/パンはキリストの肉、ワインは血
     近代兵学の祖、江川太郎左衛門/国防のためのパン/横浜居留地のベー     カリー/「王政復古」に隠された秘密/「マッチョ人間」改造計画/食     べ物隠語さまざま

第三章 あんパン誕生前夜2――食の文明開化
     農民は麦と雑穀を食うべし/肉食禁止令への対抗/牛肉は将軍家のク     スリ?/牛乳を欲しがったハリス/和食風西洋料理の誕生/携帯用「牛     肉大和煮」

第四章 明治天皇とあんパン
      明治天皇、肉食を宣言す!/「日の丸弁当」体力実験
木村屋と天皇を結びつけた剣客/天皇家・公家の質素な食生活/
     あんパン、宮内省御用達へ/清水次郎長が加勢してくれた
     天皇と相撲を取った鉄舟/慶喜公を癒したあんパン

第五章 清水次郎長とあんパン
     次郎長という男/「次郎長町」と名付けられた富士山麓開墾
     英語塾の開設/油田開発と温泉宿経営/天田五郎の超人的大活躍
     砂糖を土産に木村屋へ/本店と分店の誕生
    「明治十七年の大苅込」の新事実/「文明開化に相応しいもの」

第六章 あんパン音楽宣伝隊、街へ出る
     貴婦人のドレスは月給八ヵ月分/鹿鳴館の晩餐メニュー
     チンドン屋隊、東京市中を練り歩く/芝居にも、錦絵にもなった音楽隊
     江戸末期から明治期の宣伝・広告とは?/「広告取締ノ件」/広告の仕     掛け人たち

第七章 全国展開へ、儀四郎旅立つ
     次郎長の見舞を兼ねて清水へ/製造と営業、分業体制の確立/静岡出店     と、兄の死/パン文化普及の決意とともに名古屋へ/大恩人、山岡鉄舟     逝く/木村屋式経営学の実践/木村儀四郎、空白の十年

第八章 木村屋のあんパンは全国を制覇して……
      サイダー、ドロップ、木村屋のあんパン/軍指定工場から生まれたジャ     ムパン/品質管理のマニュアル化/震災の悪夢、そして復興
儀四郎の死とイースト菌の勝利/ 築地工場がB29の爆撃を免れた理由
     トーキョー・ベーカリー/あんパンは永久に不滅です

あとがき――あんパンと私 
主要参考文献一覧