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科学コミュニケーション

科学コミュニケーション

理科の〈考え方〉をひらく

岸田一隆
シリーズ・巻次 平凡社新書  573
出版年月 2011/02
ISBN 9784582855739
Cコード・NDCコード 0237   NDC 370
判型・ページ数 新書   264ページ
在庫 現在品切中
定価836円(本体760円+税)

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この本の内容
目次
そもそも人間は論理的ではなく、日本人の科学への関心は低い。ますます必要とされるのに、どうすればいいのか。科学と人間のあり方を根本から問い直す、新しい「科学コミュニケーション」論。 人類の繁栄は、科学の進歩とともにあった。身の周りには、科学のおかげで出来た物があふれているのに、どうやってそれができたのかは、ほとんど知らない。科学者はその研究を、とどんどん進めていくが、なんの研究をしているのかは一般にはわからなくなっていく……。
そうしたなか、科学の専門家と一般の人をつなぐ、〈科学コミュニケーション〉という試みが、いま世界中で行われるようになってきている。だが、なぜ科学を理解する必要があるのか。そもそも、どうして科学はわかりにくいのか。
本書は、〈人間〉の物事の理解の仕方と〈科学〉とは何かについてを、根源までさかのぼって見つめ直すことによって、〈科学を理解することの意味〉〈人間と科学のあり方〉を考えた本である。
人間はそれほど論理的ではなく、日本人の科学への関心は低い──そんなところからはじめる〈科学コミュニケーション〉論。
はじめに

第一章 科学コミュニケーションとは何か──情報伝達と共感・共有の違い
二つの文化/マイケル・ファラデー
科学コミュニケーションの誕生/サイエンスカフェ/夫婦喧嘩
受け手が決める/セクターと価値観/無関心の海/共感と共有
すれ違いの原因/日本の科学コミュニケーション/宗教と教育
コミュニティ/価値観の中身

第二章 物理学が難しい理由──人間の脳と思考の傾向
選択されない物理学/りんごの中にあったもの
人は生まれながらにして文系/コンピューターには似ていない
心像/心の設計図/記憶/偽りのトラウマ/感情と倫理
言語と概念/理解と納得/数学的抽象概念/物理学的世界の深奥

第三章 アダムとイブの子孫としての私たち──進化による考え方の形成
人類誕生/進化の足跡/脳による適応/囚人のジレンマ
なぜ人を殺してはいけないの?/確率的思考
刺激等価性と言葉/わかりたい心/世界は理解可能か

第四章 合理と神秘の間に揺れてきた歴史──科学という強力な道具
合理と神秘/説明の科学の始まり/経験主義者アリストテレス
錬金術・中世・ルネサンス/デカルト以降/ニュートンの数学
啓蒙主義とロマン主義/勝ったのはどちらか?
適応の方法としての科学/科学の累積性/複雑さに耐える心

第五章 科学への向き合い方──文と理の分裂の地域差
中世における文系優位/フランケンシュタイン/欧州の事情
米国の事情/科学の非知性化/日本の事情/国語教育
知的市民層の誕生/リベラルアーツと価値観革命
価値と事実の混同/持続可能という共通の価値観

第六章 第三の方法へ向けて──共感・共有のための可能性
スタート地点と着地点/全人格コミュニケーション
研究者の露出/人間ドラマ/書物の力/ライフスタイル
科学の幸せ

第七章 バベルの塔──人類と科学の責任
敵との酷似/幼稚園児と包丁
一人の人間に支配されないために/生命流動・情報不動
社会的蓄積/流れの中の異物/人類の二つの武器
倫理・規範・価値観/精神の自立/インターネットの影響
総合する人間/成熟した新時代へ/残された課題

おわりに

読書の手引き

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