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戦国武将と連歌師

戦国武将と連歌師

乱世のインテリジェンス

戦国時代の武将たちの社交の場に臨み、諸国を回った「連歌師」は、インテリジェンス、ネゴシエイターでもあった。

綿抜豊昭
シリーズ・巻次 平凡社新書  755
出版年月 2014/11
ISBN 9784582857559
Cコード・NDCコード 0221   NDC 210.47
判型・ページ数 新書   232ページ
在庫 在庫あり
定価880円(本体800円+税)

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この本の内容
目次

戦乱の時代にはあやしい異能者が跋扈する。戦国時代に最も活躍した「連歌師」もその一種であった。彼らはただ和歌や連歌を詠んだり指導したりしていただけではない。諸国を廻り、武将間のメッセンジャーやネゴシエイターをつとめ、困窮する公家のサイドビジネスの口利きをするなど、「裏稼業」を通じ、戦国の世に欠かせない存在となっていった。芸能人という身分で戦乱の世を駆けめぐった連歌師、その行動と軌跡は、乱世の裏面をうかがわせる。

はじめに

第一章 武将はなぜ連歌をしたのか
武士の心を慰めるものは/連歌は必須の教養/本当の武士こそ
コミュニケーション・ツール/コミュニティ形成ツール/「れんがし」とは
必要とされる連歌師/連歌師は僧の姿/寺社と連歌師
職人としての連歌師/連歌師の苦労

第二章 連歌師と武将
連歌の「効用」/連歌という「おもてなし」/情報の伝達者
連歌に祈りをこめる/安産・病気平癒/新築祝いも連歌で
戦勝祈願の連歌/古典文学の講釈、伝授/細川幽斎と三好長慶
主ある連歌師

第三章 三人の連歌師
連歌師の出自/宗祇の過去/特定の主人を持たず
旅の詩人宗祇/宗祇の髭/会津の兼載
宗祇への対抗心/地方出身者はつらい/牛に乗る肖柏
肖柏の履歴/酒と香と花を愛す/キャラ立ちした連歌師たち

第四章 公家と連歌師
公家と連歌/二条良基/天神が連歌の神になったわけ
秀吉のころの京都連歌界/紹巴という男

第五章 連歌、武家の行事となる
武士と連歌/伊達家の七種連歌/家督相続と七種連歌会
情報源としての遠藤基信/将軍家の「柳営連歌」/家康は連歌嫌い

第六章 連歌の「意図」を読む
連歌の解釈/愛宕百韻/明智光秀の句の謎/江戸時代の解釈

第七章 軍師の連歌
歌を愛した黒田官兵衛/連歌師から情報収集?/家族の願いをこめた連歌

第八章 連歌その後
流行らなくなった連歌/それでも続く連歌/明治が捨てた連歌

おわりに

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