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兵農分離はあったのか

兵農分離はあったのか

中世から近世への社会転換を示す重要要素とされる「兵農分離」。いま、この概念の存在自体が揺らいでいる。歴史ファン必読の一書。

平井 上総
シリーズ 中世から近世へ  
出版年月 2017/09
ISBN 9784582477344
Cコード・NDCコード 0021   NDC 210.47
判型・ページ数 4-6   314ページ
在庫 在庫あり
定価1,870円(本体1,700円+税)

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この本の内容
目次

日本近世社会の根本概念を疑う。

中世から近世への社会転換を示す重要要素とされる「兵農分離」。
いま、この概念の存在自体が揺らいでいる。時代の変化はどのように訪れるのか。
最新の研究成果から実態に迫る。

 

はじめに──わかるようでわからない兵農分離

序章 兵農分離の多面性をさぐる
研究概念としての兵農分離
通説の中の兵農分離
同時代人の兵農分離観
兵農分離への疑問
本書の視角

第一章 兵農分離は軍を強くするのか
軍隊と兵農分離
武家奉公人とは
武家奉公人の供給形態
近世の兵と武家奉公人

第二章 戦場に行くのはどのような身分の人なのか
兵以外の身分の戦闘参加
戦国大名の百姓動員
百姓動員の原理
軍役衆と郷士
中世と近世の兵身分

第三章 「身分法令」と人掃令はなにを目指したのか
「士農工商」について
「身分法令」と奉公人
朝鮮侵略と奉公人の確保
「身分法令」と百姓
人掃令の年代
人掃令の位置づけ
身分制と法

第四章 身分の分離と検地・刀狩りの関係
検地帳への登録と身分
百姓召し連れ規定の意義
刀狩令による武器の没収
村の鉄砲
刀狩りと身分
身分コードの形成
江戸時代の帯刀
身分制と政策

第五章 居住地を分離させる法・政策はあったのか
武士の居住地に対する認識
織田家臣は城下に集住していたか
豊臣政権による妻子の人質化
豊臣政権の法令と居住地
転封による強制移住
織豊政権は居住地を分離させたのか

第六章 近世的居住形態はどのようにして生まれたのか
転封と城下移住
転封以外による集住
城下町に住まない武士
近世武士が住んだ場所

第七章 武士は領地支配を否定されたのか
近世の知行制
知行権の統制
地方知行制の継続
俸禄制の転換および地方知行の形骸化
近世の知行制はなぜ変わったのか

終章 兵農分離の捉え方
兵農分離の特徴の再検証
兵農分離政策はあったのか
兵農分離という現象

おわりに

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