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世界はさわらないとわからない

世界はさわらないとわからない

「ユニバーサル・ミュージアム」とは何か

新型コロナ禍のいまこそ、我々は世界にさわらなければいけない──。全盲の触文化研究者が問う「さわること」の意義と無限の可能性。

広瀬 浩二郎
シリーズ・巻次 平凡社新書  1008
出版年月 2022/07
ISBN 9784582860085
Cコード・NDCコード 0236   NDC 369.275
判型・ページ数 新書   272ページ
在庫 在庫あり
定価1,034円(本体940円+税)

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この本の内容
目次
人間にも「触角」が必要だ! 「ユニバーサル・ミュージアム=誰もが楽しめる博物館」を掲げ、展覧会やワークショップの開催に取り組んできた盲目の人類学者が2021年、満を持して企画した大規模展覧会「ユニバーサル・ミュージアム──さわる!〝触〞の大博覧会」。しかし想定外の新型コロナ禍が展覧会を直撃する──。その前後、触常者として生きる著者は何を考え、何を語ったのか。新型コロナ禍で人びとが「さわること」を忌避する時代にあえて問う、「さわること」の無限の可能性。
識者(松岡正剛、味方玄、竹下義樹、服部しほり、マクヴェイ山田久仁子、安井順一郎、高橋政代、岩崎奈緒子)との特別対談も収録!

本書は、コロナ禍の中で迷い悩みながら「さわる」ことの意味を追求した全盲の文化人類学者の「生の証」である。それと同時に、新型コロナウイルスの登場によって到来した「さわれない時代」、目に見えないウイルスを過度に恐れる「さわらない人々」に対する触常者からのメッセージ集ということもできる。──「はじめに」より
はじめに──「さわれない」時代の「さわらない」人々へ

第一部 書く──手と頭を動かす
1 失明得暗──新たな「ユニバーサル」論の構築に向けて
2 コロナ禍と特別展──二〇二一年を振り返る
3 踊るようにさわる、さわるように躍る
4 二一世紀版「耳なし芳一」
5 障害当事者発のソーシャル・インクルージョンの実現に向けて──誰もが楽しめる「さわる写真」の制作と鑑賞
6 「文化」と「文明」で読み解くインクルーシブ社会の未来
7 文明学としての「ユニバーサル・ミュージアム」

第二部 話す──口と体を動かす
1 暮らしと文化の役割──服部しほり、マクヴェイ山田久仁子、安井順一郎との対話
2 障害/健常 境界はあるか──高橋政代との対話
3 他者理解の先にあるもの──岩崎奈緒子との対話
4 スポーツの楽しみ──竹下義樹との対話
5 古典芸能 ルーツと未来──味方玄との対話
6 見えないものを見るために──松岡正剛との対話
7 〔インタビュー〕 目で見るものがすべてではない
──視覚中心の社会をほぐすため
8 〔講演録〕 健常者とは誰か──「耳なし芳一」を読み解く

おわりに──「誰一人取り残さない社会」は幸せなのか

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