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編集者ディドロ

編集者ディドロ

仲間と歩く『百科全書』の森

フランス啓蒙思想の金字塔『百科全書』。壮大なプロジェクトの全貌を編集長ディドロを通して、精緻かつ自在な分析で描き出す。

鷲見 洋一
出版年月 2022/04
ISBN 9784582703634
Cコード・NDCコード 0010   NDC 135.3
判型・ページ数 4-6   896ページ
在庫 在庫あり
定価5,280円(本体4,800円+税)

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この本の内容
目次

★☆★ 第74回読売文学賞 研究・翻訳賞受賞作 ☆★☆


フランス啓蒙思想の金字塔『百科全書』。全28巻に及ぶ、この壮大な出版プロジェクトの全貌と、編集長ディドロの八面六臂の活躍を、精緻かつ自在な分析により描き出す大著。


はじめに

第一章 『百科全書』前史
 Ⅰ 分類すること
 Ⅱ 古代からルネサンスの分類
 Ⅲ 一七世紀から一八世紀へ
 Ⅳ 一八世紀の分類と辞書・事典類
 Ⅴ 技芸アカデミー協会

第二章 『百科全書』刊行史
 Ⅰ 最初期の歴史
 Ⅱ 刊行開始とプラド事件
 Ⅲ 最初の禁止と宗教界
 Ⅳ 大危機まで
 Ⅴ 地上と地下の二重生活
 Ⅵ 『百科全書』のその後

第三章 編集者ディドロの生涯
 Ⅰ ディドロの青春
 Ⅱ 『百科全書』企画への参加と刊行準備
 Ⅲ 『百科全書』刊行に伴う反響と契約問題
 Ⅳ 苦闘するディドロ
 Ⅴ 一七六〇年代
 Ⅵ 一七七〇年代
 Ⅶ 晩年のディドロ

第四章 商業出版企画としての『百科全書』
 Ⅰ 文化統制システム
 Ⅱ 検閲制度
 Ⅲ 『百科全書』の書籍商たち
 Ⅳ 商業出版企画としての『百科全書』
 Ⅴ ボワジェルマン事件
 Ⅳ ダヴィッドとディドロの出版論

第五章 『百科全書』編集作業の現場
 Ⅰ 百科事典の「編集者」とはなにか?
 Ⅱ ディドロたちの編集構想
 Ⅲ 『百科全書』編集作業の実態
 Ⅳ 編集者たちの個人執筆協力
 Ⅴ 剽窃、コピー、借用の美学

第六章 「結社」の仲間さまざま
 Ⅰ 「前言」について
 Ⅱ 執筆協力者の実体
 Ⅲ 執筆者の起用と報酬

第七章 協力者の思想と編集長の思想
 Ⅰ 「結社」集団の宗旨と宗教観
 Ⅱ 百科全書派の政治思想
 Ⅲ 『百科全書』の検閲問題
 Ⅳ ディドロの『百科全書』批判
 Ⅴ ディドロの「集合」哲学と執筆協力者集団

第八章 図版の世界
 Ⅰ 図版へのこだわりと図版刊行企画の変遷
 Ⅱ 図版のイメージ解読

第九章 身体知のなかの図版
 Ⅰ 身体知の表象としての図版
 Ⅱ 没入する人物たち
 Ⅲ 働く人びと
 Ⅳ 「造船工場」図版を読む
 Ⅴ ヴェルネ散歩
 Ⅵ 「結社」の面影――造船工場とヴェルネ海景の人びと

あとがき